おおかみかくし総評
- 2009/09/01
「おおかみかくし」を全編プレイし終えての個人的な感想です。
※ゲーム全編のネタバレを含むので未プレイの方は閲覧をお控えください。
ゲームの第一印象から途中までの経過などについては今までの記事で。
おおかみかくし・おおかみかくし(黄泉比良坂編)・おおかみかくし(五色塚編)
<ゲームシステムについて>
今作品の序盤は選択肢分岐でEDが変わるという今までの竜騎士さんの作品とは若干異なるタイプでしたが、これについてはあまり良いシステムとは感じませんでした。
そのシステムの悪さとしてはまず、選択肢ごとに物語の核にあたるクライッマックスパートが小分けされてしまって各編の肝心な部分が短く盛り上がりを感じませんでした。
また、一つずつの僅かな違いのEDのために選択肢を変えるのも作業的で飽きてしまいあまり長くプレイし続けられませんでした。五色塚編では10のEDがあったけど既読スキップを使って3つの章を同時進行すると前後の会話の流れが曖昧になってしまうし、スキップするなら似たような会話の話を連続でやらないと話がごちゃごちゃになってしまうのもやりづらい。
それに比べて後半の選択肢の無い話は序盤に比べると面白かったので、やはり竜騎士さんの作品は選択肢が無い方があっているのではないかという印象を受けました。そうするとゲーム性は薄れてPSPというジャンルではどうなんだ、ということになりそうですが。
それからアクトペディアは物語の分岐を見るには助かるけど、それ以外での存在価値は微妙だったと思います。更新されるタイミングも説明の前などで悪かったかなと。
ということで少し否定的な面が多いですが、章を細かく分けて、その人物毎の視点を変えた多くの物語が一つに繋っていくところなどは良かったと思います。
<物語の謎について>
謎の面はひぐらしやうみねこと比べると相当弱かったですね。最初の一編だけでも細かい部分はともかく大まかな展開なら予想がついてしまい、これといって大きなドンデン返しもないので、ミステリーとしての楽しみは薄いですかね。ひぐらし・うみねこ並の謎を期待すると少々期待はずれでしょうか。この作品はノックス十戒には該当しないのかn(ry
<今作品のテーマ>
神人の宿命や街の歴史や櫛名田家の使命など、通常の人間達が今まで出会った事もないような物事を通じて自分と異なる者への接し方を考えさせられ時には苦しみながらも成長していくという、"共生"を提示していて、なかなか考えさせられるものがありました。
ゲームでは神人というファンタジー的な存在が中心でしたが、それは現実においても例えば宗教の問題であったり、捕鯨についての考え方など、いろいろ喚起されるところです。
劇中で眠が博士に告げた世の中の女性の視点や、車椅子生活者のマナを登場させたことはそういうテーマをより現実とリンクさせていたように思いますね。
竜騎士さんの作品はひぐらし・うみねこでも作品のテーマが伝わってきますが、
この作品でもそれは十分伝わってきたと思います。
<物語について>
テーマは伝わってはきたのですが物語の盛り上げはやはり弱く、最後の賢木さんの改心の仕方や町人の心変わりがあっさりしすぎで違和感が、特に街人に関しては人を殺すことも厭わないあれだけの暴動がマナと博士のあの説得だけですっと治まるとはとうてい思えず。
マナにしても後半からはほとんど出てきてすらいなかったのであの場で活躍させるのは話との繋がりから考えてどうも不自然というか強引にも思えたし。
その辺りの物語の終結点は個人的に不満が残りました。話では五色塚の櫛名田さんの話や賢木さんの復讐編あたりが一番纏まりがよく印象に残った気がします。
<演出について>
演出面でホラーとしての緊迫感は弱かったと思います。それは謎部分が弱いということも関係あるだろうけど、絵も関係あるかも。変貌するキャラクターの表情の厭らしさや凄みという点では竜騎士絵の方が向いているのではないかなと感じました。
<どうでもいい気になった部分、自問自答など。>
・五十鈴の胸のサイズについて
設定だけを大きくしすぎでCGや会話でも少し噛み合わない部分があったような。
まあこんなところ普通は気にしないしどうでもいいですねサーセンww
・一誠さんはホモなのか?
これについては五色塚の追加パートで妹を見守るシーンで疑いが晴れたかもしれないけど、
全体的にそういうパートが多すぎるので本当の可能性もなくはないw
・ウサギの着ぐるみ姿になった眠の話はいったい・・・?
あれはひぐらし礼のオマケ話みたいなものかな、しかしどうしてああなったw
・アニメ化について
既に決定ということだけどインパクト的に考えると少し厳しいかなという印象。
なにか大きなインパクトが無かったのがこの作品の弱みかもしれない。
<総評>
こうして書いてみると少し不満点が多いですね。勿論テーマ性もあってなかなか楽しめたとも思うのですが、今までの竜騎士作品のような謎の部分を強く期待していたことや、上記のようにシステムが個人の肌に合わずで、全体的には無難といった感じでしょうか。
※ゲーム全編のネタバレを含むので未プレイの方は閲覧をお控えください。
ゲームの第一印象から途中までの経過などについては今までの記事で。
おおかみかくし・おおかみかくし(黄泉比良坂編)・おおかみかくし(五色塚編)
<ゲームシステムについて>
今作品の序盤は選択肢分岐でEDが変わるという今までの竜騎士さんの作品とは若干異なるタイプでしたが、これについてはあまり良いシステムとは感じませんでした。
そのシステムの悪さとしてはまず、選択肢ごとに物語の核にあたるクライッマックスパートが小分けされてしまって各編の肝心な部分が短く盛り上がりを感じませんでした。
また、一つずつの僅かな違いのEDのために選択肢を変えるのも作業的で飽きてしまいあまり長くプレイし続けられませんでした。五色塚編では10のEDがあったけど既読スキップを使って3つの章を同時進行すると前後の会話の流れが曖昧になってしまうし、スキップするなら似たような会話の話を連続でやらないと話がごちゃごちゃになってしまうのもやりづらい。
それに比べて後半の選択肢の無い話は序盤に比べると面白かったので、やはり竜騎士さんの作品は選択肢が無い方があっているのではないかという印象を受けました。そうするとゲーム性は薄れてPSPというジャンルではどうなんだ、ということになりそうですが。
それからアクトペディアは物語の分岐を見るには助かるけど、それ以外での存在価値は微妙だったと思います。更新されるタイミングも説明の前などで悪かったかなと。
ということで少し否定的な面が多いですが、章を細かく分けて、その人物毎の視点を変えた多くの物語が一つに繋っていくところなどは良かったと思います。
<物語の謎について>
謎の面はひぐらしやうみねこと比べると相当弱かったですね。最初の一編だけでも細かい部分はともかく大まかな展開なら予想がついてしまい、これといって大きなドンデン返しもないので、ミステリーとしての楽しみは薄いですかね。ひぐらし・うみねこ並の謎を期待すると少々期待はずれでしょうか。
<今作品のテーマ>
神人の宿命や街の歴史や櫛名田家の使命など、通常の人間達が今まで出会った事もないような物事を通じて自分と異なる者への接し方を考えさせられ時には苦しみながらも成長していくという、"共生"を提示していて、なかなか考えさせられるものがありました。
ゲームでは神人というファンタジー的な存在が中心でしたが、それは現実においても例えば宗教の問題であったり、捕鯨についての考え方など、いろいろ喚起されるところです。
劇中で眠が博士に告げた世の中の女性の視点や、車椅子生活者のマナを登場させたことはそういうテーマをより現実とリンクさせていたように思いますね。
竜騎士さんの作品はひぐらし・うみねこでも作品のテーマが伝わってきますが、
この作品でもそれは十分伝わってきたと思います。
<物語について>
テーマは伝わってはきたのですが物語の盛り上げはやはり弱く、最後の賢木さんの改心の仕方や町人の心変わりがあっさりしすぎで違和感が、特に街人に関しては人を殺すことも厭わないあれだけの暴動がマナと博士のあの説得だけですっと治まるとはとうてい思えず。
マナにしても後半からはほとんど出てきてすらいなかったのであの場で活躍させるのは話との繋がりから考えてどうも不自然というか強引にも思えたし。
その辺りの物語の終結点は個人的に不満が残りました。話では五色塚の櫛名田さんの話や賢木さんの復讐編あたりが一番纏まりがよく印象に残った気がします。
<演出について>
演出面でホラーとしての緊迫感は弱かったと思います。それは謎部分が弱いということも関係あるだろうけど、絵も関係あるかも。変貌するキャラクターの表情の厭らしさや凄みという点では竜騎士絵の方が向いているのではないかなと感じました。
<どうでもいい気になった部分、自問自答など。>
・五十鈴の胸のサイズについて
設定だけを大きくしすぎでCGや会話でも少し噛み合わない部分があったような。
まあこんなところ普通は気にしないしどうでもいいですねサーセンww
・一誠さんはホモなのか?
これについては五色塚の追加パートで妹を見守るシーンで疑いが晴れたかもしれないけど、
全体的にそういうパートが多すぎるので本当の可能性もなくはないw
・ウサギの着ぐるみ姿になった眠の話はいったい・・・?
あれはひぐらし礼のオマケ話みたいなものかな、しかしどうしてああなったw
・アニメ化について
既に決定ということだけどインパクト的に考えると少し厳しいかなという印象。
なにか大きなインパクトが無かったのがこの作品の弱みかもしれない。
<総評>
こうして書いてみると少し不満点が多いですね。勿論テーマ性もあってなかなか楽しめたとも思うのですが、今までの竜騎士作品のような謎の部分を強く期待していたことや、上記のようにシステムが個人の肌に合わずで、全体的には無難といった感じでしょうか。
![]() | おおかみかくし コナミデジタルエンタテインメント 2009-08-20 |
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