青い花
- 2009/09/10
![青い花 第1巻 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51q14No2AML._SL160_.jpg)
万城目ふみは幼なじみの奥平あきらと10年ぶりに再会する。同姓が好きという複雑な恋愛事情で悩みを抱えていたふみはあきらにも相談にのってもらうようになり・・・
これはなかなか良い作品だった。百合作品ということでOPでもそういうシーンが出てくるけど実際に本編ではそれほどハードなシーンはないし、むしろキャラクター心情や世界観を表す演出が巧く、あまり百合に耐性がない人でもある程度見易いかもしれない。
キャラクター描写では1クールを通してのふみちゃんの成長をしっかり描けていたし、初めはただの女たらしにしか見えなかったような杉本先輩に関しても、その背景を見せる事で大人びて見せているけど実は精神的には子供であったというところや、想い人をいつまでも吹っ切れずに葛藤の袋小路に迷い込んでいるというような裏の心情部分がよく伝わってきた。
似ている境遇のふみちゃんが自分よりも強い人間だと思っている先輩のそんな弱さに触れて、振られた時はショックだけではなくどこか呆れて失望した部分もあったと思うし、そんな先輩への僅かながらの幻滅を自分に置き換えることで成長できたのではないかなと。
そんな感じでふみちゃんと杉本先輩の関係描写が印象的だった。そしてそれが印象に残ったのは間の取り方や作品の雰囲気などの演出が良かったのも要因だと思う。背景にしても鎌倉の自然を描いて作品の人間関係の繊細さのようなイメージが出せていたと感じた。
物語的にはその二人の描写を丁寧にやったがために、文が最終話で気付いたこの作品のメインになるであろうあきらとの恋愛については無しで終わるということで物足らないものもあるかもしれないけど、ここで一旦締めるというのもある意味綺麗な終わり方ではあると思う。
なんというかあーちゃんは百合の道に進まないでほしいなとも(笑) 全体が恋愛で思い悩む中でそれに染まることなく世界を明るくしてくれたキャラなのでそう感じるのかな。
ちなみにあーちゃんは作中で「好きな人なら性別なんて」的なセリフを言っていたし、その天真爛漫さからいずれは性別を超えて文ちゃんを意識するようになるんだろうか。それは見たいような見たくないような、とりあえず一旦の幕の下ろし方としてはこれで良かったと思う。
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主な声優
万城目ふみ:高部あい 奥平あきら:儀武ゆう子 杉本恭己:石松千恵美
井汲京子:堀江由衣 安田美沙子:井口裕香 本厚木洋子:矢作紗友里
茂木美和:豊崎愛生 奥平忍:川田紳司
兄貴のCVって高橋広樹さんじゃなかったのか。
個人的なこのアニメの評価 B
演出や雰囲気が良い作品だった。作品とするとおそらくこの後の展開こそが真の見せ場ということになるであろうので、そういう意味ではここで終わるのは残念でもあるか。しかしこの手の作品は後半難しい人間関係になることが多いのでこれはこれで綺麗な終わり方かなとも。
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青い花 第11話「冬の花火」
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