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アスラクライン13

アスラクライン 13 (電撃文庫 み 3-28)アスラクライン 13 (電撃文庫 み 3-28)
(2009/11/10)
三雲 岳斗

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物語はいよいよクライマックス!シリーズ販売中の表紙のリニューアルへの不満については他の記事で二度も書いたので感想では中身の方に集中して書きます(笑)


<あらすじ>
二巡目の世界に戻った智春達、だがその世界は部長の思うままに動いていて四面楚歌の状態となっていた。学生連盟及び律都を従える部長、そして二巡目の世界に出現した世界の破壊者「神」。立ちはだかる強大な敵を前に見せる智春の”選択”の答えとは・・・


<感想>
まさかの最終章。怒涛のクライマックス!
部長だけでなく神の存在もあったのでもう一巻くらい続くと思ってたけど13巻は想像以上に熱い怒涛の内容で一気に物語が終結(作者曰く智春編は)。

智春が導き出した一つの答えの”絆”という言葉どおり、今まで信頼関係を築いてきた仲間達が総動員で部長を追い詰めていく展開が面白かった。

各キャラともに見せ場があり大活躍していたし、放置されてるけどどうなったんだろうと思っていた環緒さんもここぞという場面で重大な役割を担っているところが良かった。

各キャラ良かったけどその中でも特に佐伯会長が格好良かった!GDに命令された時も権力に流されずに"学園の生徒を守る"という使命を優先させて格好いいセリフを放ってたし、まさかの西洋刀での戦闘シーンも。

秋希さんを失った後引篭もった部長に対して佐伯は哀音を失った後も”最後まで自分を信じて力を貸してくれた哀音に報いるために前進を続けて”いて、それを部長に突きつけるシーンの両者の対比も良かった。ということでクライマックスで大活躍の会長だったけど数巻前までともはさんのギャグ要員をやってたとは思えないな(笑)

朱里さんがなんで生きてるのかという事についてはそういう事だったのか。朱里さんが実は紫浬という事は今までに明かされてんだっけ?この点についてはアニメの方が意外と巧く描いているのでアニメを見ていれば分かりやすそうだけど。

この終盤でついに高月と契約を済ませたけどこれで寸止め作品ではなくなった。
まあでもそのシーンの前後は当然カットなのである意味寸止めみたいなもの(笑)


アスラクラインは悪魔との契約では愛を魔力の源にするので部長と氷羽子はあくまで形式上にすぎず、加賀篝は微妙なところではあるけど、智春こそ真のアスラクラインだと言えそう。

そんな智春が今まで得てきた全てを振り絞って動力炉まで辿り着き部長との最終決戦に勝利する展開が良かった。何気に一巡目の冬琉が教えた秋希の技で部長の目を覚まさせたというあたり、一巡目の世界での出来事が伏線として巧く生きていると感じる。

部長を止めて神との最終決戦に挑む智春の横にはただ一人操緒がついていて、操緒は本当に物語の最初から最後の最後まで智春を側で支え続けたなと感慨深いラストバトルに。

単純なハッピーエンドというわけではなく少し不思議な終わり方だったけど、世界観にはこういうのも合ってると思うし、全員で力を合わせたクライマックスと智春と操緒の異空間での最後の語らいシーンが良かったので良い最終章だったと思う。


ただ智春が神を倒すシーンでは普通にイグナイターを使わなかったけどあれは結局なんだったんだろうかと少し呆気なくも感じた。まあこれについては愛や絆の深さで無限に魔力が上がったとでも解釈すればいいんだろうけど。

実は個人的にはこの巻で皆が神・神・神と騒ぐ様子を見て実は神の存在自体嘘で物語の真の黒幕は夏目直貴なのではないか?という疑問も強まっていたけどそれはなかったようで。

最後の和葉締めは意外だったけどそういえばこんなキャラ居て放置されてたなと(笑)
あとがきを見る限り最初から重要なポジションだったようだけど果たして今後の動向は?

和葉はまさに一巻の智春と同じような境遇を辿ってるけどここから第二部でも始まるのか、高月がインストラクターを届けたのは異空間に閉じ込められた智春を救うには和葉の力が必要だからとか?気になるところだけど続巻はその物語は語られないかもしれないし少し意味深なラストということでこのまま終わるのかも。


<全巻読んで>
作者は結末が最初にできた作品と書いていたけど、後ろから練った作品だからか設定の深さや各場面での伏線が非常に巧く機能していた作品だと感じた。

各キャラの言動など後から明かされる境遇などでなるほどと思わされる場面が多々。
一巻から何気なく出していた伏線を十一巻くらいで回収するというものも(笑)

いろいろな作品で跡付け設定だなと感じるものも多い中、複雑な設定を巧く絡めてこの作品世界を構築した構成が良かったと思う。

智春の成長もしっかり描けていた。そしてその智春の成長に繋がったのも、最後に部長の野望を打ち崩した環緒の活躍も、直貴(一巡目の智春)の行動があってこそのもので。

志半ばで倒れる形となった直貴だけど、実は物語の発端から結末まで全ての事が彼がいなければ成立せず。直貴の行動は無駄ではなく自分の死を賭してでも最後には成就して、そんな直貴の物語への絡みと一巡目の世界の二巡目への影響という面が面白かった。

それからこの作品に関しては非日常と日常の混合も特徴的で最終章でもそれを両立したあたりはその混ぜ方が巧かったと思う。これについては中盤から後半までのスローペースにも繋がっているので全てが良かったとは言えないとも思うし、煮え切らない巻もあったけど、全体的には双方で楽しめた。


一巻で世界観に惹きつけられて、二巻以降は時には気楽に楽しんだり、時にはスローペースで煮え切らない時もあったり、ギャグ巻で笑ったり、いろいろあったけど十巻以降の一巡目の世界と絡んで物語の全容が明かされてからのクライマックスは本当に面白かった。

アニアがアスラマキーナを造ったということを初めとして螺旋の世界観について全てが詳しく明かされたわけではないので巧く分からないまま終わってしまった部分もあるのでそこは少し残念ではあるけど、今まで読んできたラノベ長編シリーズでは初めて完結まで読んだ作品なのでいろいろと思い入れ深い作品に。

三雲先生長い間お疲れ様でした!ってこれでまで続巻でるんだっけ(笑)


関連記事→(アスラクライン)・(アスラクライン2)・(アスラクライン3)・(アスラクライン4)
       (アスラクライン5)・(アスラクライン6)・(アスラクライン7)・(アスラクライン8)
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