伝説の勇者の伝説
- 2010/12/18
![伝説の勇者の伝説 第1巻 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51cJfIPZ5PL._SL160_.jpg)
己の境遇と国の情勢の下過酷な人生を辿ってきたライナ・リュートは誰もが昼寝だけしていればいい争いのない世界を作るために各地に眠る伝説の勇者の遺物を探しに旅に出る・・・
物語の入りは敢えて軽さを出す入りにしたり時系列をいじくったりしてきたけどその構成はあまり巧いとは感じず、またキャラクターに慣れないうちから場面と舞台の切り替わりがちょくちょく入ったこともあって正直序盤のつかみはよくなかった。
放送日程は激戦区に入って他アニメとの兼ね合いもあったのだろうけど周囲や世間でのこのアニメの話題性が予想以上に小規模だったのはやはりそのあたりの掴みの部分で視聴者を逃してしまったところがあったんじゃないかな。
ということで個人的には最初はあまり面白いとは思っていなかったのだけど次第にライナの境遇やシオンサイドの話やスケールのあるファンタジーな世界観に惹かれていき中盤あたりからは毎週楽しむようになっていた。
そんなこんなで最初こそ馴染まなかった場面切り替え両サイドストーリー進行だけど途中で実を結んでどちらのサイドの話も続きが見たいと思うようになっていた。
そんな感じで作品の魅力は感じたけどちょっと説明不足も目立ったなと。例えばシオンとライナの最後の対立は寂しがりの悪魔の話で概ねは分かるけど”なぜそうしなければならないのか”という決定的な部分が分からないので素直に納得ができないというか。
ライナを殺そうとする理由は取り込んでしまったら永遠の苦痛を与えるかららしいけど、ならばライナを取り込まないで殺しもしないで世界を統べるという選択肢は無かったのか(まぁあのシオンの様子を見れば無いのだろうけど)、そのあたり事情を知っている一部のキャラ達が勝手に納得しているだけでなく視聴者にも納得させる説明が欲しかった。
この作品でシオンの"ライナと一緒に"皆が笑って暮らせる世界をつくりたい、しかしそうするためにはライナを殺さないとならない、というライナとの関係性、願いを絶対に両立できない残酷な運命の中で揺れる精神性は魅力的な部分だったと思うけど、そこでもその葛藤に至る理由などももっと分かり易く表わして欲しかったかな。
終盤で出てきたライナの父親と母親についてはライナを守るためにアルファスティグマに何らかの細工をしたようだけどそれについても分からないことが多すぎてなんのために出てきたのか、まぁこの作品はあくまでプロローグ的な位置づけらしいのでそこは仕方ない部分だろうけど。
でもプロローグだと割り切って無理やり全部話を終わらせなかったところは良かったとも思う。現状2期は難しいだろうしある意味酷い投げっぱなしでもあるのだけど、この作品はこれからがライナとシオンの真のストーリーなんだなとか続きが見たいなとちゃんと先の展開を期待させる終わらせ方だったので。しかしあの崖の上のティーアと魔眼軍団のキラーンシーンはちょっとギャグになってた気がするけど(笑)
あと文句を言わせて貰いたいのはクラウ達がライナを化物扱いして差別してたシーンで、それに対してなんのフォローもなく花火を手伝わせていた時はハァ?と思った。ところどころそういう描写の端折りや雑さを感じたけどキャラの印象に強く関わってきそうな部分は大事にしないといけないだろうと。
あとはミランさんが終盤でややキャラが萎んでたな(というか目立たなかったな)とか。
レギオスのサヴァリスさんといい諏訪部さんキャラの最後はこういう扱いなのかw
そういえば触れてなかったけどこの作品ストーリー性とキャラ自体は良かったけどギャグについてはやや滑り気味だったかな、フェリスのネタもちょっとしつこかったし最終回のライナのシオン弄りも・・・それを掴みにしたからつかみが弱かったのかも(;^ω^)
ギャグシーンはあまり面白くなかったけどフェリスは最初思った以上魅力的なキャラで、
二度のライナを救うシーンや終盤のデレシーンの可愛さなども実に良いキャラだった!
あとは先ほど書いたシオンの揺れる精神面とライナへの信頼感や、ティーア編でライナに仲間を託して死んだキャラクターの話とか、いい加減な振る舞いだけど人への想いが人一倍溢れていたライナとか、ぱっと挙げるだけでも好きなところも多くて楽しめた作品だった。
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ED「Truth Of My Destiny」 ED2「光のフィルメント」
この作品の主題歌は4つとも好きだった。作品との雰囲気のマッチ的には後期の方が良かった気がするけど個人的には前期のOP,EDが好きだったな。OP映像ではサビの入りのミランさんのカットがなんだか印象に残って好きだったw
主な声優
ライナ:福山潤 フェリス:高垣彩陽 シオン:小野大輔
ルシル:杉田智和 ミルク:藤田咲 ルーク:日野聡 ミラン:諏訪部順一
イリス:村田知沙 キファ:大浦冬華 レファル:中井和哉 ティーア:櫻井孝宏
個人的なこのアニメの評価 B
説明が足らない部分も多かったけどストーリーやキャラクター性には惹き込まれてなかなか満足してる。面白くなってきたところで・・・!と終わり方はちょっと残念だけどそう思えるのは良い事。自分の作品への印象の波的にはあと1クールくらいの長さがあればもっと上だったかも。他アニメでも感じるけど作品によっては3クールや4クールものがあっても良いと思う、まあ現実の事情は厳しのだろうけど。
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