十角館の殺人
- 2011/01/23
![]() | 十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫) (2007/10/16) 綾辻 行人 商品詳細を見る |
自分は真っ先に犯人は”オルツィ”(ポゥが共犯)だと思った。死体を確認したのがポゥ一人でまた左手を切り取られたこともポゥの証言のみだったのでいかにも怪しかった。二人目の犠牲者のカーが左手を切り取られた理由も本当は左手を切り取られていないオルツィの偽証を裏付けるための工作かと。
死体検証はまず疑ってかかれというのがあだになった。一応他にもエラリィとヴァンにも全犯行が可能だったので最後まで犯人候補とは考えてはいたけど・・・・
犯人が女だとルルゥを追って撲殺するのが不可能じゃないかとも感じたけどそこは深く考えなかった。どちらにしてもルルゥが海岸を確認にいったwhyを考えないで放置してしまった時点でこの話の大きなトリックには気がつけなかったのだけど。
とにかくこの話は守須がヴァンと見抜けるかどうかということ。これが分からなかった。
でもよく考えれば守須だけ巧く渾名が明かされなかったりしてたんだよなー巧い。
まさか島と本土を行ったり来たりしているとは・・・たしかに可能であると本編で示されたけどそれをするという発想がなかった。このある意味では単純ででもそれをやるか?という大胆な発想のトリックは良いドンデン返しだった。
紅茶を4杯飲んでいた場面は飲みすぎだろと気になったけどまさかあれも伏線だったとは。
伏線解説は水車館よりも弱い感じでそこはもう一度読まないと回収しきれないかも。
チェス盤や最初に瓶の中に犯行計画を入れて流すところやところどころの思考などを見ると『うみねこ』はこれに(正確にはこれに"も")だいぶ影響を受けた作品なんだなと。その知識があっただけにトリックもそれに近いものじゃないかという先入観もあって酷い目に、まぁまた見抜いた気になって決め付けの盲目になってしまったということですな。
綾辻氏の作品は水車と人形で大まかには解けていたのでこれを解いて卒業しようと思っていたけどどうしよう。噂ではデビュー作のこれが一番評判が良いようで個人的にもそんな印象だったけけど、もう一つくらい読んでみたい気もする。
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