放浪息子
- 2011/04/01
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女の子になりたい男の子、男の子になりたい女の子─
このアニメについて語れる言葉や表現力をもっていないのが歯がゆいところだけどとにかく良い作品だった。思春期のキャラクターそれぞれの心情や葛藤の表現が非常に巧くてそれに絡めた複雑な人間関係の織成すストーリーと作品の雰囲気が凄く良かった。
心情描写中心の作品ながら生々しい厭らしさも感じさせず、それぞれのキャラクターが己の壁にぶち当たって葛藤を繰り返しながらもそれが心の成長に繋がって成長の過渡期を越えていくという爽やかさを感じさせる物語は心地よい物だった。
それからこの作品の序盤は"性"がメインテーマかと思っていたけど二鳥君の最後を見ると、彼はあくまで女の子になりたいだけであって自信を女性と見てはおらず最終的には女の子になりたい・可愛い物が好き、だけど自分は男性だということに納得して葛藤を乗り越えたようでそんな”思春期の成長とアイデンティティー”を描く事がメインだったのだなと。
二鳥君だけでなくトラブルメーカーだった千葉さんも、最終話で今までの葛藤を告白したマコちゃんも大きく成長したと思うしそのあたりの描き方が良かった。高槻さんに関してはやや物語が不足していた気もするけどそれは今後のメインになってくる部分なのかな?
あとは性のぼかし方が印象的で、単純に性同一性障害ということではなく二鳥のように異性になりたいと願う人、更科のように単に異性の格好に憧れただけの人、マコのようなちょっと変った趣味の人(オカマ体質?)、それらがいろいろ入り乱れて性の像が巧い具合にぼやけていたように感じる。キャラデザや色彩の薄い作画もそれを象徴しているようだった。
小学生時代の話題が度々出てきていたけどそれはアニメでは詳しくは分からなかったのでそのあたりが少し残念かな。千葉さんが女性的な二鳥に固執する理由や過去もそこにありそうだし。しかしそれでも巧く纏まっていたとも思うけど。
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いつだってーきーみのー!最初はOPはやたら爽やかで明るすぎるだろとか思っていたけど途中から慣れたし最終回で流れた時のキャラの成長の爽やかさにも非常に合っていた。EDは各話ごとに余韻を感じさせるものでアニメのEDとして嵌っていたと思う。
<主な出演声優>
二鳥修一:畠山航輔 高槻よしの:瀬戸麻沙美 千葉さおり:南里侑香
佐々かなこ:南條愛乃 有賀誠:井口祐一 更科千鶴:千葉紗子
白井桃子:豊崎愛生 二鳥真穂:水樹奈々 末広安那:堀江由衣
千葉さん役の南里さんの声と雰囲気が良く合っていて印象的だった。
あとはアンナちゃん役の堀江さんの演技が好きだった。
個人的なこのアニメの評価 A
青い花もそうだったけどこの原作者の作品は心情を交えたストーリー表現が巧い。
その時と同様にこの項目でも主観とは別に(?)作品のできの良さも若干プラスポイントで。
最終回の締め方も思った以上のものだった。そして、ささちゃんが最後までいい子だった!
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