未来日記 第26話 「初期化」 (最終回)

全てが救われた３週目の世界
たとえ神になろうとも死んだ者を蘇すことはできない、そうなるとどうすれば各キャラに救いのあるENDになるのかと思っていたけどこういう形を取ったか。

今までの雪輝達の行動はけっして無駄ではなく全ての者が絡み合った結果として因果律が変わり日記所有者に本来起こった全ての不幸がなくなり戦いもなくなったという幸福な世界。この終わらせ方は今まで散っていった者の想い全てが報われる形で良かったと思う。

しかしそれにより人の出会いの流れも変わり幸せの中にもどこか寂しさが漂うというあたりも味な演出だった。果たしてこちらの世界の方が必ずしも幸せと言えるのか。もしかしたら本当に幸せなのは苦難の果ての最後に雪輝の愛を手にしたあの由乃の方だったかもしれない。

一方結末の幸せを享受できずただ一人だけ孤独に無の世界に取り残された主人公雪輝の絶望的なラストを見ると、この人が頑張ったからこそ３週目の雪輝の幸せがあるわけでそこに救いはなかったのかなとも。敢えて幸せにしないことを美徳とする作品も多いけど個人的にはご都合主義だろうと最後くらい２クール追ってきたキャラに対して救いが欲しかった。

なにやら続きの新プロジェクトがあるようだけどそこでこの物語の主人公とヒロイン、神になった２週目の雪輝と１週目の由乃に何らかの救いがあるのかな？ただそれはおそらくOVAか総集編＋ラストシーン追加の映画展開だろうしこのアニメとは別物。もしも続きのオチがあるのであればあくまでアニメ内で見せてほしかった。そこは少し心残りなラスト。

だけど３週目の世界を絡めたHAPPY ENDの形は良かったとも思うし今回は最終回としては全体的にはなかなか良い纏めになっていたのではないかと思う。

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＜総評＞
「ユッキー…♥」
このアニメはなんと言ってもヤンデレ由乃の存在感が凄まじかったｗ 所有者バトルのゲーム性やダークさなども重要な要素の一つではあったけどいろいろなものを差し置いてとにかく由乃。冷静にkillしていた場面や発狂していた場面ばかりが印象に残っていることもたしかだけどその半面で可愛さもちゃんと忘れずに描かれていたところが良かったｗ

ストーリーとしては序盤の掴みは良くキャラクター性を含めて迫力ある展開に惹き込まれたものの、所有者同士のバトルも特別キレのある心理戦などがあるわけではなくある程度進むと少しずつ飽きてきたのも事実でもあった。

尺的に見れば２クールというのは正しいと思うしむしろ微妙に足りないくらいだったけど、Ｃパートで時間を使っている事も多かったしもう少し間延びしない見せ方ができていればなと。放送日程的にもこのアニメ一つだけ何週間も終了が伸びて新アニメ開始時期と被りそちらに気を取られてしまったしそのあたりももう少し巧くやってほしかったかな。

という感じで途中から終盤にかけてはけっこうだれた感もあるものの、全体的に見ればなかなか面白かったとも思うし前述した結末の３週目の世界の幸福などを見るとそれまでのキャラが報われた形でもあるので満足できた。あとは雪輝に救いがあれば良かった。


OP「空想メソロギヰ」 OP2「Dead END」 ED「Blood teller」 ED2「filament」


＜主な出演声優＞
天野雪輝：富樫美鈴　我妻由乃：村田知沙　雨流みねね：相沢舞
西島真澄：石井真　来須圭悟：田中正彦　ムルムル：本田愛美　デウス：若本規夫
高坂王子：白石稔　日野日向：松岡由貴　野々坂まお：ゆかな　秋瀬或：石田彰

由乃役の村田さんはまだ経験が多くないみたいだけどあのとろっとしたユッキ～♥やヤンデレモードの発狂など実に面白い演技の数々を見せてくれたｗ

雪輝役の富樫さんはよく嵌っていて少年声のイメージがついたけど今までの出演作品を見るとやはり女性キャラの方が多いのか。日常の麻衣の人だったとは知らなかった。

秋瀬君役の石田さんのせくしーな演技ｗ 謎めいた色気といいほとんどカオル君だったけどこの人はこういう演技は怪しげな魅力があって本当に嵌るなとｗ


個人的なこのアニメの評価　Ｂ-

少し間延びした間隔もあったけどインパクトのあるキャラクター性を中心に楽しめた。