奇面館の殺人
- 2013/01/28
![]() | 奇面館の殺人 (講談社ノベルス) 綾辻 行人 講談社 2012-01-06 |
久々の綾辻先生の館シリーズ。読み進めていくと分かったつもりになっている部分が劇中で次々に反証されていく流れになっていて舞台や設定の印象や固定観念を先行させることで仮面の単純な真相を隠すフェイクの部分は良くできていてなかなか面白かった。
しかし事件的なスケールは小さめでそれは黒猫館以降落ちてきていて、かつこの作品には黒猫館のような舞台の大規模な仕掛けや暗黒館のような総決算的な物語のカタルシス的なものも無かったので館シリーズとしては少々平凡すぎるかなという印象もあった。
これはこれで楽しめたことも本当だけど。ここまでこのシリーズを読んできた中ではやはり十角館と時計館の出来が抜けているかな。個人的には黒猫館も好きだった。今後館シリーズの物語性や謎の難易度や総合的な印象について纏めてみるのもいいかもしれない。
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