マレー鉄道の謎
- 2013/02/05
![]() | マレー鉄道の謎 (講談社文庫) 有栖川 有栖 鷹城 宏 講談社 2005-05-13 |
有栖川有栖氏の作品はこれが初めて。複雑に絡み合う各人物の行動の謎をなぜそうしたのかと視点を二転三転させながら考えていき最終的に誰が得をするのか、背景を考えその犯人に至るアプローチが面白かった。
密室トリックは全く解けず、答えを聞いてもそれがうまくいくのか?と少し疑問でもあったけど作中に伏線は張ってあったので納得はした。ただ個人的にどうも嘘の密室・密室の幻想などは好きだけど細工をして密室にする類のネタはそれ程好みではないかもしれない。そちらの方が普通のパターンなのだろうしそろそろ馴染んでいかないといけないけど。
この作品は推理作家賞の作品ということで確かに登場人物の絡め方や組立は面白かったけどインパクト的にはそれ程大きくなかったかなという印象も。綾辻氏の大胆で怪奇的な(?)作風に馴染みすぎたか、間に読んだ占星術殺人事件などが印象に強かったからか謎の大きさにしても臨場感にしても少し緩やかで毒気が足りないという印象は受けたかもしれない。
次はもう一冊くらい有栖川氏を読んでみるか、それともそろそろ外国の有名作家の作品を読んでみるか。まだほとんど読んでいないので選択肢はいくらでもある。クリスティの「アクロイド殺人事件」は有名すぎてネタバレが先行しているので読むつもりにはならないけど(笑)
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