翠星のガルガンティア 第9話 「深海の秘密」

ヒディアーズの正体は・・・
これは衝撃的な展開。レドがヒディアーズの巣で幼体と遭遇した時にその形状を見て嫌な予感はしたけどこういう真相だったとは。SFでは割とあるような展開だけどヒディアーズの姿があまりにも人間離れしていることからもこの展開は予想してなかった。

それを伏せてヒディアーズを下等生物と教え込んで兵士たちに躊躇なく人類と殺し合いをさせていた人類銀河同盟のやり方は酷いけど単に銀河同盟側が黒幕の悪人ということもなく、ヒディアーズを生み出した陣営の経緯を見ても傲慢で危なっかしく、先に手を出したのは銀河同盟の先祖側としても現に今はヒディアーズが人類を脅かす異形の存在として宇宙で君臨しているわけで、どちら側を見ても人間の業の深さを感じるようになっている。

そんな風にどちらが悪というよりは"あの戦争は人類そのものが犯した過ち"という感じの物語展開なので最終的にはエイミー達のような「共存」という考え方が古いようでいて最も最先端のヒディアーズも含めた人類がたどり着くべきゴールだったということになるのかな。

しかし最後のフレンドリーな幼体を見ればそれも可能とは思うけど、生体のヒディアーズは意思疎通能力がなくなっているのか、あの姿と行動を見ると同じ人間として分かり合うのはもはや不可能な気もする。ピニオンの兄も追い返さずに殺してるし。長い時の中で自分達が人であったことは既に忘れているのか、やはり共存するとしても人とイカとしてか。

ということで虚淵さん絡みの作品らしく一気にヘビーな話になってきた。どこかでこのアニメは最後まで平和な展開だと聞いて嘘だッ！とは思ったけどやっぱりこうなると。何話か前に「オレモシゴトシタイ」、エイミー達の水着！なんて感じでやってたアニメはどこに(笑)

翠星のガルガンティア(1) (ファミ通文庫) 谷村大四郎 虚淵玄(ニトロプラス) エンターブレイン 2013-05-30