進撃の巨人
- 2013/09/30
![進撃の巨人 1 [初回特典:未発表漫画65P「進撃の巨人」0巻(作:諫山創)] [Blu-ray]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51-EN6HKa7L._SL180_.jpg)
突如現れた巨大生物「巨人」によって滅亡寸前まで追い込まれた人類達は三重に築かれた「壁」の内部に避難することで生きながらえ100年の安息を得た。しかしある日超大型巨人の出現によって突如として壁は破られ人類は再び巨人の侵攻を許すこととなる・・・
巨人共を、駆逐してやる!
これは思った以上の作品だった。徹底的に容赦ない展開続きのストーリー、世界観とその謎による惹きつけ、抜群の出来の作画演出、それら全てが絡み合って凄く臨場感のある手に汗握る雰囲気を終始醸し出していた。
ストーリー面は最初は少年漫画だしOPの演出的に見ても普通にエレン達が立体機動で一気に巨人に反撃していく感じになるのかと思っていたけどそう甘くはなく、第二の壁が破られ同期の仲間は次々に殺され、ようやく壁外に出ても部隊は壊滅的打撃を受け、そして最後の作戦もあれだけの犠牲を払っても(一期の放送枠を使い切っても)負け続け報われなかった。
本当にここまでやるかというくらい徹底的なまでに厳しいストーリーだったけどその中での屈辱や絶望感、そんな状況でも屈せずに「ここから我々の進撃が始まる」となおも反骨心を強めるキャラ達の逞しさ、そういったものを2クール丸々費やして描いた物語は深みを感じた。
それからこの独特な世界構造の謎という面も非常に魅力的で、少しずつ明らかになってきてはいるけどまだ多くの謎が残されていてそれらは必ず物語の進行と共に明かされるだろうという練り込みも確かに感じたので引き続きその解明は凄く楽しみな部分。作品の流れ的に見ても最後は巨人を全滅させるのではなくその謎を解明することがゴールになるのかも。
あとはなんと言っても作画演出面でバトルシーンをはじめ動きのある各場面での臨場感に緊迫感が凄かった。特にそう思うのは壁外調査に出た話で、壁外での巨人との遭遇シーンは普通の一体の巨人に追われるだけの場面で最大級の危機感が伝わってきて、このアニメの作画演出はアクションの爽快感以上に作品を通して絶対に欠かせない危機感を最大限に引き出していたと思う。そしてそれがストーリーの迫力と臨場感を際立たせていた。
こういう凄みのある世界観や物語を生み出した原作も凄ければそれらをより強く引き出す演出を加えたアニメ制作も上手い。原作もアニメ会社も力を発揮した作品だと思う。
![]() |
死せる餓狼の自由を───
主題歌は紅蓮の弓矢が一番好きだった。特に「進むー意思をー嗤うー豚よー」のところの曲調と映像面の演出のセンスが気に入っていたw最後のところで兵士たちが次々と空中に飛び出す場面はなんだか笑ってしまったけどw
<主な出演声優>
エレン・イェーガー:梶裕貴 ミカサ・アッカーマン:石川由依 アルミン:井上麻里奈
アニ:嶋村侑 ジャン:谷山紀章 ライナー:細谷佳正 サシャ:小林ゆう
クリスタ:三上枝織 ピクシス:田中正彦 エルヴィン:小野大輔 リヴァイ:神谷浩史
エレン役の梶さんはやはりシャウト演技が上手いのでこういう物語に求められる熱さも上手く表現できていたと思う。エルヴィン団長役の小野Dの太く勇ましい演技も印象的だった。最近はJOJOの承太郎役などもやっているけどそういう演技も増えてきている印象。
個人的なこのアニメの評価 S
あくまで見たのはアニメだけど少年漫画を読まなくなって数年、まだこんな漫画があったのかと思った。あまり引き伸ばしすぎず適度な長さで完結まで描いてくれれば間違いなく名作になると思う。状況的にアニメはほぼ続編は決まっているだろうけど次期にも期待したい。