境界の彼方
- 2013/12/19
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表向きは変態気味な眼鏡フェチな高校生”神原秋人”だがその裏の顔は妖夢と人間のハーフ、不死身の半妖であった。厄介な体質ながらも平凡な日常を送っていたがある日秋人の前に「呪われた一族」の末裔である異界士”栗山未来”が現れ秋人討伐をはじめて・・・
不愉快です!
うーん、この感覚・・・。各回感想でも何回か書いてきたんだけど序盤から各キャラの行動や背景の描写が足りず本筋でのキャラクターの行動原理が分かりにくく展開に感情移入できないところがある作品で結局それが最後の最後まで尾を引いてしまった感じかな。
以前指摘した栗山さんが秋人を殺した理由などは後半しっかりと明かされてすっきりしたけど、桜の姉の後を継いで異界士になるという動機と栗山さんを殺すという選択は栗山さんへの感情や後の接し方を見ても噛み合っていないと思うし(素直に復讐なら分かるんだけど)、
泉姉さんと藤真弥勒なども背景が語られなすぎでクライマックスの戦いも盛り上がらなかった。藤真は精神が錯乱した上で泉に粘着しているストーカー的なものだったとは理解できたけど、泉姉さん共に中途半端な描かれ方で、これが名瀬家をピックアップしてきた内容ならまだしも栗山さん達が戦う裏であの二人の戦いを最後まで引っ張ることはなかっただろうと。
最後も栗山さんが生き返った理由がまったく分からなくて昔見た精霊会議みたいなエンドで、久々に花田先生構成のそれが炸裂したかという感じだった。それはもちろんご都合主義でもハッピーエンドの方が好きだし栗山さんがあのまま消えるよりは後味はいいんだけどあまりにも突拍子がなさすぎて、前述のキャラの行動原理もそうだけどそういった各場面の背景をもっと納得できる形で描いてほしかったというのが概のこの作品への感想。
そんなこんなで満足感は薄かったけど見ていて嫌いじゃなかったしつまらないというわけでもなかった。最終回の栗山さんは可愛かったと思うし、日常の掛け合いも少しずつ馴染んで楽しめるようになって馬鹿話のアイドル回も面白かった。
しかしストーリーで魅せたいのであればそういう部分は削ってでも描くべき部分が多かったとは感じるのも事実。終盤の物語上ではあの母親のギャグが延々と入るのは白けるだけで雰囲気まで壊してしまっていたと感じるので、シリアスに作りきるのかコメディー調に妖夢退治をする作品にするのかハッキリした方が良かったんじゃないかと思う。
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<主な出演声優>
神原秋人:KENN 栗山未来:種田梨沙 名瀬美月:茅原実里
名瀬博臣:鈴木達央 新堂彩華:進藤尚美 二ノ宮雫:渡辺明乃
名瀬泉:川澄綾子 伊波桜:豊田萌絵 新堂愛:山岡ゆり
種田さんはメイン役が目立ってきて本当に大躍進の一年だった。栗山さんの演技では少し腹を立て気味に「血が足りていない感じなんです!」な場面などが好きだったw
愛ちゃんの山岡さんはたまこのチョイちゃん役に続き京アニレギュラー獲得でその役割的に見ても今後の京アニ作品でもこのポジションのキャラで重宝されるかもしれない。それから博臣の鈴木さんもFree!に続き少しほもぉなところも匂わす男キャラ役で京アニ作品でのそのポジションを確率しつつあるのかも。
個人的なこのアニメの評価 D
作画演出などは言うことなく流石のクオリティで実際見ていても嫌いではなかったけど物語・設定・キャラの練り込みの甘さが出ていた作品だった。完全ギャグ回は好き。