劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME

これは思った以上に良い出来！

良い意味で事前の予想を裏切る良い内容の劇場版だった。TV放送時もなかなか愛着はあったけどその時よりも断然いいと思ったかもしれない。皐月の過去のエピソードを中心に"それぞれの成長と人間性とそして繋がり"とより一層作品全体に魅力が増したと思う。

特に皐月はアニメ序盤からああいう描写でだらしなく映っていたけどあんな今のキャラだったからこそこの映画内で見つけた自分の夢を貫き続けたこと、母に頼らず一人で緒花を育て続けたこと、その裏にある信念や母のスイから受け取った生き様などが対比でより強く印象づけられた気がする。あの皐月が形はどうあれ緒花を育てられた背景というか。

背景というとスイさんも同じでその喜翆荘を守り続ける意思やいつでも厳しい態度を取っている裏で子供達を暖かく見守る心などがより深く見えた。「騒がしいねえ」などと言いながらふっと微笑む慈愛の御心が素敵だった。この映画ではそういうシーンがやたら多かった気がする。というかみんなやたら叫んだりしてたから騒がしすぎてこの旅館大丈夫かと(笑)

皐月の過去や菜子の騒動に触れて自分の境遇と重ねて成長していく緒花、その重ね方も良かったと思う。皐月の声を緒花のCVでそのまま宛てたのもそういう理由なんだろうなと。

脚本家の癖で相変わらず台詞など仰々しすぎるところや下ネタ系(?)を狙いすぎなところはあるとは感じたけどキャラクター性物語性共に良い人間ドラマに仕上がった作品だったと思う。TVアニメ版と合わせて最後まで見て良かったと思えたしこの映画を見てより好きになった。

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＜本編部分感想＞

流石は劇場版なだけに作画が凄い。もともと背景風景には定評のあるPAだけど更にクオリティが上がっていたように見えた。序盤の階段を上る場面の人と背景の動きなども地味なところだけど動くなーという感じだった。

「こればっかりは神様の手の内だ──」
お婆さん！！！！アニメ終盤ではいつもこんな反応してたな懐かしいｗ
そんなこんなで久々のメインヒロインこと四十万スイさんのカリスマ性が素敵だった！

”停電設定を上手く利用”した風呂描写
停電で暗いから湯気で隠さなくてもいいと、これは抜け目無いサービスシーンだったｗ
バスタオル姿で妹に押し倒される菜子さんが（；´Д｀）

しかし菜子さんの両親も小さい子達の世話を菜子一人に押し付けてけっこうあれだなと。
緒花の母の皐月と同様にそちらも背景を見れば印象も変わるのかもしれないけど。

民子の「ホビロン」を入れるのはもはやちょっとしたサービスみたいなものかｗ
蓮さんはずっとギャグ要員ｗでも回想でちゃんとしたシーンもあってよかった。

最後に皐月が喜翆荘を訪れてスイを見て帰る場面が凄くいい。