【PCゲーム】 サノバウィッチ
- 2016/03/18
![]() | サノバウィッチ ゆずソフト 2015-02-27 |
もうやだ、お家帰るぅ…
サノバウィッチ!一つ前にやったゲームでいいと思ったCVの方繋がりで偶然検索に当ってそこでタイトル名にインパクトがあってなんとなく気になってしまってOP主題歌を聞いてみたらそれも嵌ってといろいろな巡り合わせの連鎖があった作品。
こっちの業界には詳しくないのでゆずソフトってどうなんだろうとそこからの手探りではあったけど2015年で一番売れた作品らしいしユーザー評価もかなり高いということで楽しめるだろうと初めてアニメ化とは無縁なところからこっちのゲームに手を出してみることに。
これは良いヒロイン萌えゲーム
ストーリーに関しては各ルート結末が良くてなかなかよくできているとも言えるけど、だいたいのルートでこの部分はもう少し練れなかったのかなと引っかかるところがあったりクライマックスの盛り上げや構成の面でもう一歩と思うところはあって、
例えば紬√だと結末は凄くいい纏まりなんだけどその過程で柊史が代価を払う決断をする理由が弱くてその選択はないだろと思ってしまうし憧子√だと解決に重要なアルプとしての憧子の心の決着をそこはもう何パートか描くべきなのではと思ったりもした。めぐる√の終盤もそうだけどけっこう力技と勢いで話をまとめていたところはあったと思う。
世界観に凝った作品などならそこから盛り上がるというようなところをあっさりと終えてしまうので、そこはある意味では良さでもあるわけだけど、物足らなさを感じるところもあった。
なので設定や世界観やストーリーが作りこまれていて世界に引き込まれる感覚というのはそれ程強くなかったけどヒロイン達の可愛さとキャラクター描写は本当に良くできていて掛け合いが面白くニヤニヤできるというキャラ萌え的なゲームとしては非常に強かった。
全ヒロインが可愛かったしそれぞれのルート攻略中にはその都度そのキャラが一番なんじゃないかという感覚にもなってこの作品のヒロインはそれぞれが魅力的に描かれていて破壊力が高かった。何と言ってもこの作品のキャラの売りは掛け合いの中での”照れ”描写と感じて各ヒロインが隙をつかれて照れて慌てるというような描写の数々が特に良かった。
映像面では今までやったゲームの中でも一番動いていたんじゃないかと思えるくらいの立ち絵演出が凄く良くてあれあってこそのキャラの魅力だったと思う。また所々入るSDCGも面白さと可愛らしさを盛り立てて良かった。
それから各CVの方々が作り上げてくれたキャラクターの雰囲気というのも実に良くてその配役のセンスも演技も凄く好みな作品だった、その点に関しては今までやったこのジャンルのゲームでもトップクラスかもしれない。
パロディーも好きな脚本家らしくかなりいろいろなネタを仕込んでいたけど『がんばるぞい』とか『ナイスカップリング』とか比較的新しいネタが出てきたところはちょっと新鮮だったw この調子だと次の作品では『思い・・・出した!』とかやるんじゃないかなw
攻略順と大まかな感想
①綾地 寧々

え?なんですか?
綾地さんのキャラが最高に面白可愛かった!w 全ヒロイン良かったけど流石はメインヒロインと言うべきかやっぱりこれは綾地さんのためにあったゲームというようなずば抜けた存在感があって、日常編での掛け合いの面白さも個別編のストーリーもその中で描かれる一途な純愛っぷりも良くて総じて一番インパクトがあるキャラだった。
何と言っても綾地さんはキャラ立ちが良くて普段の落ち着いた清楚な雰囲気からのエロモードと欝モードと退行モードのギャップが実に面白かった。最初の図書室の場面からいろいろ凄かったけど秘密兵器を落としたり自宅で「お家帰るぅ」になったり紬編でアカギにハレンチな娘と言われて激しく落ち込んだりと主にエロ系ネタで全編通して退屈させない面白さだった。
どのネタも良かったけど一番印象的だったのはループ後の世界での「私のオ○ニーを見てください!」の場面かなw そうくるだろうと思ったけど期待を裏切らない綾地さんw
CVの桐谷華さんが凄く嵌っていて特に慌てる場面や混乱した場面で「~ですよぅ」な口調になる時の雰囲気の変化のつけ方が実に良かった。この方はアニメの方では出演数や知名度以上に人気がある印象もあってそれはなぜだろうと思っていたけどこっちの人気もあったのかと今回その演技の良さと共に改めて存在を認識させられた嵌り役だった。
寧々編はこの作品はまずこれを軸に考えられていたであろうだけにさすがにストーリー性も良かったしボリュームもあった。恋人になるまでの微妙な距離感や恋に落ちてからの寧々の変化やその一途さなどどの場面の描写も見応え十分。
ただこれを一番最初にやると後の他の全ルートでその世界では寧々は…という気持ちも拭えないしそんな話の性質的にも出来的にもこのルートは最後にやる方がいいのかなと。でも序盤のあのインパクトからして自然に選んでしまうしそこがこのゲームのネックか(笑)
②因幡 めぐる

ちゃろー!
めぐるが可愛かった!攻略ヒロインの中で唯一の後輩ポジションで他のメインヒロイン三人と一番属性がかけ離れていることもあってこのキャラにしか出せない雰囲気と距離感があってその描写には一番フレッシュな印象があった。基本全員いい子なんだけどそのいい子っぷりに開始前とのイメージギャップがつくのもめぐるの強み。
めぐる編はヒロイン側の気持ちの描写も魅力的で柊史の様子を伺いつつ悶々とするめぐるの心情描写が可愛かった。好きなのはアピールで足を崩すところを見せようとしてパンツを見られてパニックになった場面や分岐前で映画館で手を繋いで無言で~~~~!となっていたところなどで、純情で大胆に攻められると弱いところが可愛いかった。
CV遥そらさんは始めはちょっと内田真礼さん風な声だなと思って調べてみたらアニメでも知ってる方だったけどあの方はこんな声も出せたのかとその器用さに驚いた。めぐるの声も凄く嵌っていて良い雰囲気を出してくれたと思う。
めぐる編はラブラブな描写はいいけど終盤はけっこう勢いでまとめた感じがある。めぐるを助けてくれた魔女の話も完全な解決はないのでそれにしては少し重すぎたかなという気も。
③仮屋 和奏

うひひ
和奏ちゃんマジ天使。最初のうひひから気になっていたキャラw 攻略できると思っていなかったのでルートがあってお得な気分。日頃の掛け合いから魅力的で攻略意欲も高まっていくし個別編をやってさらに好きになれる良い隠れヒロインルートだった。さっぱりした性格に悪友ポジションならではの関係性などメインヒロイン組にはない魅力があった。
メインではないのでストーリ-自体はオマケに近い簡単なものだったけどハプニングから始まる恋に和奏ちゃんのいい子さが全編を通して伝わってくるのが良かった。一番面白かったのは和奏ちゃんが「ねえブレイブマン」とさり気なく蒸し返した場面であれは笑ったw
CV小鳥居夕花さんの声の雰囲気がまた可愛く、どんな方だと思って調べてみたら少し前のアニメでも毎週聞いていたような知っている方だった。言われてみれば思いっきりその声なんだけど業界が変われば意識も違うのか調べるまでは完全に抜け落ちていた不思議。
④戸隠 憧子

ようがす
戸隠先輩!お姉さんのエロ可愛さにやられた。色気とお茶目さ溢れる憧子先輩に振り回される関係性が好きで、他のキャラはどちらかといえば柊史側がリードしなければという感じなんだけど憧子先輩は唯一の年上キャラとその性格・雰囲気の特性を生かして悪戯に振り回してくれることが多くてそれが良かった。
なのでデートシーンはヒロインの中でも特に楽しくショッピングモールで下着売り場に連れて行かれるところなどよかった。でも先輩が強く振り回すだけじゃなく内面には不安も抱えていてリードする関係が変わっていくというようなところも憧子ルートの魅力だったと思う。
CV明科まなささんはアニメでは良く知っている方でこっちでも活躍されていることは知っていたけどゲームではこれが初めてかな。雰囲気の作り方が凄く上手くて普段の様子から各キー場面での感情の抑揚は勿論アルプとしての人格や未来での僅かな声の変化などもつけていたところが印象的だった。アニメだとそれ程強く意識したことはないけどアニメほどは動かないゲームだからこそこの方の演技力を改めて感じさせられた気がする。
憧子ルートはストーリーと設定は全体像はいいとして保科母と契約した時に受けた気持ちの変化の直接の描写なりクライマックスで昏睡から醒める場面の最後のふんぎりだったりあと一歩のディテールがほしかったかなと。
⑤椎葉 紬

ふぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
紬かわえええええええええええええ!紬は私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!一番チビっ子なのにまさかの母性最強キャラでその包容力といい子っぷりと内面の女の子さの破壊力が予想以上に高くて最後のルートの前半から悶えることにw
是非とも紬さんに私の心の穴も埋めてもらいたい( ー`дー´)キリッ オスなど交尾させてやれば心の穴は埋まるのじゃというアカギとそれで意味深に気合を入れる紬という場面は付き合う前だからこそのドキドキがあって良かったw
誓約内容を逆手にとって初デートで女の子の格好お披露目というのもインパクトを倍増させて良かったし付き合い始めてからは我侭に求めてくるギャップも良かった。それから紬はポップキュートな(?)個別BGMが好きであれが癖になってもいた。
上でちょこっと書いたけど紬のCV黒咲そらさんが以前のゲームからこの作品を結びつけてくれたわけだけどこの作品でも変わらず可愛い演技だった。前とそんなに演技は変わらないんじゃないかと思っていたけど紬のヴィジュアルを意識したほんの少しの男の子っぽいニュアンスなど上手くインスパイアしているなという感じで作品ごとの演じ分けも見事。
このルートの物語は欲を言えば過程でもう一捻りをとは思うけど祖母とアカギの繋がりや保科父との絆など最後のルートを締めくくる大団円としても感動的な良いラストだった。
総合的に見ると物語細部の練りこみはもう一歩必要だけどヒロインのキャラ立ちは良くてその描写は可愛く面白くニヤニヤできてそちらをメインの目的に置くなら本当に強い作品という印象で実際全員好きになれたし各描写や日常の掛け合いなどを中心に楽しめた。
(物語の印象に関しては個人的に今までやってきたゲームが個別編の後にグランドルートみたいなものがあるのがほとんどだったのでそれも影響しているかも、しかも今回は一番最初に寧々ルートをやってしまったということでその影響もあったかな。)
これはネットでの大まかなゆずソフト評とも合致しそうで開始前に大雑把に見たレビューについてなるほどなと実感する形になったと言えそうかな。
この会社は物語面にはまだ伸ばす余地はありそうだけどこの作品が昨年の業界をリードしたという事実や趣味の多様化による時間不足など現代の様々な背景を考えると、
逆に今後は物語面を伸ばすよりもさらに今の日常的な部分やイチャイチャなどの強みを伸ばして話はよりコンパクトに纏める方がいいのかもしれないし、ゆずソフトの路線は現代のニーズに合っていてこれくらいが今一番いいバランスの作品なのかもなとも。
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