蒼の彼方のフォーリズム
- 2016/03/29
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蒼の彼方のフォーリズム (2016/1~3)
フライングサーカス
エロゲ原作だけどアニメはほぼスポ根青春路線。それについては賛否があって熱いアニメだったという見方もできるしこのジャンルにしては恋愛要素やそれに付するヒロインの可愛い描写がなくて(主人公の存在意義もほとんどなくて)微妙だったという見方もありそう。
全く新しい競技を生み出してそこに力を費やした姿勢は買う。ただ新しい競技故に情報がインプットされていないため気になってしまって熱中できないところもあった。
例えばこの競技はスピードが速い者が絶対的に有利で最初のブイを取った時点で勝負が決まるんじゃないかと思って、相手がショートカットして待ち受けているならそのまま動かないで待てばいいし、二つ目のブイに向かうならショートカットで三つ目を取ればいいし、向かってくるなら上下左右の広大なスペースを生かして加速すればスピードで勝るため捕まらない。
勿論そんなやり方をしたらつまらなくて誰も見ない、オフサイドがなくてFWがずっと最前線で突っ立っているサッカーみたいなもので。そのあたりのルール整備が気になった。それができてないとスピードとドッグファイトという要素が交わらない気がする。
そもそもスピードはどうやったらだせるのか、装備次第なのか筋力が関係あるのか、最後にバランサーを外したことで反応が良くなるのは分かるけどなぜスピードが上がるのかなどもよく分からず一番重要である要素なだけに気になった。
しかしそういったところは本来気にして見るべきところではなく揚げ足取りのようなものだとも思うし細かいところは気にしないで素直に楽しめばいいと思う。
ただあくまで個人的に、最初からつついてやろうみたいに構えてはいなかったけど今回は細かいところで引っかかってしまった。そういう人も中には居ると思うし、そういう面でやはり0から全く新しい競技を生み出していくというのは難しい。
物語は明日香とみさきのダブルヒロインのような形で進行したけどみさきの方はそれなりに精神が描写されたものの明日香は薄かったのでなんとなくオラわくわくすっぞなキャラという感じなだけでそれ程感情移入できなかったしどちらかと言えばみさきメインの方が腑に落ちたと思うけどやはり明日香がメインで、ややどっちつかずになってしまった印象がある。
なのでもう少しどちらかに絞ってより焦点を当てた方が良かったのではないかと。このクライマックスなら途中までにもっと描くべき明日香の描写があったと思う。
あとは主人公が、ここで現れてアドバイスするだろうという場面ではことごとく真藤さんが出てくるばかりで終盤にようやく復帰してコーチらしくなったと思ったらそこからの描写はほとんどなくてかつ恋愛要素もないので全体的に空気で存在意義があまりなかった。まぁこのアニメの主人公は明日香とみさきだったと思うのでこんなものかもしれないけど。
ダメだしも多くなってしまったけどそもそも1クールで収めるのが難しいジャンルをある程度の形に纏めてかつアニメならではの動きも描写できたので悪くなかったんじゃないかな。FCの説明不足は感じたけど新しい世界観を生み出そうとしたその姿勢と挑戦は賞賛したい。
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OP「Contrail〜軌跡〜」 ED「a-gain」
<主な出演声優>
倉科明日香:福圓美里 鳶沢みさき:浅倉杏美 有坂真白:山本希望 市ノ瀬莉佳:米澤円
青柳窓果:若林直美 青柳紫苑:近藤孝行 佐藤院麗子:種田梨沙 真藤一成:興津和幸
日向晶也:逢坂良太 保坂実里:儀武ゆう子 各務葵:緒方恵美 乾沙希:高森奈津美
みさき役が浅倉杏美さんだったのは最後まで気がつかなかった。雪歩とかくみん先輩とかアーシアみたいなイメージだったけどこういう演技も持っているのねと。
個人的なこのアニメの評価 D
FCのルールへの疑問については個人的な問題として主人公の動かし方や最終的にメイン扱いとなった明日香の描写はもっと改善するべきところがあったと思う。オリジナリティある世界観と全体的なクオリティは悪くなかったので脚本構成でもう一工夫ほしかったという感じかな。ただエロゲ原作は1クールで収めるのは難しいので尺的に仕方ないところも。
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