甲鉄城のカバネリ
- 2016/07/01
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甲鉄城のカバネリ (2016/4~6)
どちらでもない 俺はカバネリだ
この作品におけるカバネとは人間模様を描くための舞台ツールでしかなかったのかもしれないけど美馬が登場してからはその存在感が薄くなりすぎだった。これが2クールだったら人間vs人間にシフトするまでの尺でカバネの脅威をもっと描けたのかもしれないけど1クールだと流石に短く、進撃の巨人に例えると巨人くらいの作品を象徴する敵のはずなのにRPG初期の雑魚敵くらいのイメージになってしまってそのあたりが残念だった。
カバネとの戦いの面を期待して見るとカバネへの本格的な反抗も描かれないままに定番の人との争いにシフトして集束する展開にガッカリするかもしれない。
ただ最後まで見るとこの作品は生駒と美馬の生き様と主張を軸に人間賛歌を描きたいという作品だったと分かるので最初のアクションの凄さでそちら方面に期待させたのでなんだけどカバネと人類の戦いとその決着などは最初から要点ではなかったのだろうと。
美馬の登場以降は世間は賛否両論というかどちらかといえば否の方が多く見られた気がするけどおそらく全体的には人類のカバネへの反抗戦とその結末を見たかった人が多いのだろうと思う。個人的にも作品が風呂敷を広げたことで細かい部分がより大雑把に感じられるようになったりして一時期は僕の王の力がああああというテンションで見ていたりもしたw
でも最終回の締め方は途中思っていたよりも納得した自分がいて、美馬の行動とその理念についても割と理解できたし最初の黒煙になった部下を刺す場面で冷や汗を流した意図なんかも最終話にくると納得できる形で描かれていてそれらが繋がってスッキリした部分もあった。(対カバネとこれからの世界を思うとスッキリしないんだけど)
美馬のやりたかったことは大まかには ①父親及び自分を追い詰めた者(総じて人を戦いに駆り立てる臆病な者)への復讐と粛清 ②真の勇気を持った者をその手で倒し臆病な自分を乗り越えること ③二が叶わない場合自身もその者に粛清されること(破滅)
と考えられて、美馬は臆病な者こそ戦いと憎しみを生むのでそれを粛清しようとは思っているけど半面自分も臆病な存在であるということは知っていて、それは前述した冷や汗の場面や最後の望んでいたはずのタイマンの局面でさえ相手に臆して足音を殺して隙を突こうとしてしまう描写からも分かり、あの場面でさえ勇気を持てなかった自分に諦めがついたからこそ粛清されるべき自身は果て自分の理想たる生きるべき人間(生駒)に白結晶を打ったのだろうと。破滅願望と併せて最初からそうなることが分かっていたような節もある。
そのあたりには納得はあるんだけどその美馬にどうしてあれだけの求心力があったのか、なぜ心が不安定で破滅を導くばかりの危うい美馬にあれだけ多くの部下達がついていくのか分からなかった。女がああいう男を好きになるのはなんとなく分かるけど。
あとは人質を取られていたとはいえ金剛郭滅亡へ加担してしまった菖蒲様も気にしなさすぎだろとは思ったしそもそも門の警備システムも一話も最終話手前も雑すぎだろと思ったり、細かいところで気にならないくらいの設定と脚本の詰めが欲しかったとは感じる。
2クールだったらとは書いたけど他作品を見ても細かい部分は苦手であろう構成作家なので1クールだったのはむしろよかったのかもしれない。
総合すると作画やアクション演出の良さは勿論として生駒の一本筋を通すキャラや行動動機、無名の年相応だったキャラの立ち居地と本編内でできた目標の終着点などは良かったと思うし、カバネはうやむやになったけど美馬と生駒を通して人間の弱さと強さを描いたテーマについても納得できるところもあったのでなかなか楽しめた。
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OP「KABANERI OF THE IRON FORTRESS」 ED「ninelie」
<主な出演声優>
生駒:畠中祐 無名:千本木彩花
菖蒲:内田真礼 来栖:増田俊樹 逞生:梶裕貴 鰍:沖佳苗
侑那:伊瀬茉莉也 巣刈:逢坂良太 吉備土:佐藤健輔 美馬:宮野真守
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