【PCゲーム】 千の刃濤、桃花染の皇姫
- 2016/12/14

千の刃濤、桃花染の皇姫
FORTUNE ARTERIAL、穢翼のユースティアに続いてオーガストは三作目。大作としてかなり注目されていたタイトルだけど売り切れで買うタイミングを逃すと全体的な評判が事前の期待ほど高くはなさそうということで少し様子を見ていた作品。しかしその間にやったユースティアが素晴らしい完成度の作品だったのでこれも気になって結局プレイすることに。
流石というべきか今作もシナリオは読んでいて面白かったし最後まで止まらずにスラスラ進んでいけた。最近ノベルゲームはストーリー性が強い作品でないとどうも読む手が止まってしまうことも多いのでユースティアもこの作品も飽きることなくストーリー展開を追わせてくれたオーガストのシナリオはやはり見事だと思う。
ただ今作はメインシナリオ(朱璃ルート)は面白かったものの他ヒロインのルートがあまりにも短く「え?これで終わり?」「これで解決するの?」と疑問が沸いてしまうような雑さだったところが気になってしまった。
それから朱璃以外のヒロインに対しては主人公の恋愛感情もよく分からずサブルートは物語はもちろん恋愛劇としても微妙としか言いようがなかった。
そのあたりユースティアはヒロイン毎に章を分けることでそれぞれの活躍と物語性も盛り上げたていけどこの作品はより本流のおまけにすぎなかったというか、完全に朱璃のための作品であって構成の中で他ヒロインは並び立つ土壌さえなかったように感じた。
クリア後の余談のイチャラブを見てもどうもしっくりこないところがあって世界観背景と主人公の設定と性格がその手のやり取りに向かなすぎたところは弱さだった。
諸所の設定にも疑問があって宗仁の正体があれなのであれば滸との幼馴染関係や奏海との関係も微妙に情景的な辻褄が合わない気がした。それから緋彌之命が作った呪術システムは相手の国の神のこととか考えなかったのかそりゃ怒るよとクライマックスで憎き敵側の言い分に納得せざるをえないのが辛いところ。
そういうところをもう少し上手くできなかったのかとは思うものの前述したようにメインのシナリオやテーマ性そのものは面白かったので複数のヒロインを攻略できる恋愛ADVとしてはともかく、単純に一本の忠義の物語としては良作と言えるラインではあったと思う。
演出面も新技術満載でこの業界の新しい可能性を模索しているような挑戦心を感じた。
![]() | 千の刃濤、桃花染の皇姫 初回限定版 オーガスト 2016-09-23 |
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