【PCゲーム】 天色*アイルノーツ 感想
- 2017/05/03

天色*アイルノーツ(ゆずソフト)
ゆずソフト第七作。個人的にはこのメーカー四作目。一つ前にシナリオが重めの作品をプレイしたこともあり今回はキャラ萌えの緩めな作品を求めて安定のゆずに。その点に関しては定評のある同会社を信じて、信じるものは救われるのです(白鹿愛莉)。

・天色*アイルノーツ 体験版(共通√)感想
<個別ルート>
①シャーリィ・ウォリック編

うぁいたー!?
最初の攻略はうりしゃり先生ことメインヒロインのシャーリィ・ウォリック!!
購入直前週の夏野さんフィーバー的に最初は愛莉ちゃんでいこうと思っていたら全てのフラグを外してこれからも頑張っていこうENDになってしまったのでそれも何かの縁ということで定番の一人芝居の数々やうぁいたー!?が面白くCG的にも見栄えが抜群なシャーリィからに変更。い、いや、けっして愛莉ちゃんの一部に見栄えがないわけでは(グサッ!!!!
やっぱり金髪少女は最高だぜ!ということで金髪美乳なシャーリィは絵柄的にも映えて美しく可愛かった。目を惹き付けるそのビジュアル感はゆずでも上位じゃないかな。最近は銀髪少女フィーバーがきていたけど金髪はやはり目に見える映像インパクトがある。
シャーリィ編はまさにメインにふさわしく主人公の葛藤の解消もこのルート。シャーリィの悩みを解決することでそこから恋愛へ発展する流れも良かったし透が教え子に与えた心が巡り巡って自身の元に還ってくることによって救われるという物語性もよくできていた。
舞台が空に浮かぶ島でティアというキャラが居てカイムのCVの人が兄様役をやっていたりしたので某オーガスト作品みたいに最後には島の存亡を賭けた壮大な物語になるに違いないと期待していたような人からすれば肩透かしのメインストーリーかもしれないけど、そういう変な方向の期待さえしていなければ十分纏まった良い話だったと言えると思う。
シャーリィ編はレナードさんがいい味を出していてコメディー面でも強みをもっていたし恋愛を意識するようになった悩めるシャーリィの描写の可愛さも堪能できてそこも良かった。
特に先生から告白を返すシーンで何度も「~な女だけどいいんですか?」と聞き返すシャーリィに「いいよ」と返し続ける透が「先生の授業中にオナニーしちゃうような変な女だけどいいんですか?」と問われて「さすがにそれは抑えたほうがいいかな・・・」と返して「そこはいいって言ってくださいよー!」「いや授業中のオナニーはさすがにマズイだろ!」みたいな掛け合いは最高に面白かったw
②白鹿愛莉編

愛莉ちゃんのテンションw
二番目の攻略は愛莉ちゃん。初期は普通に優等生タイプかと思っていたけどまさかあそこまで全面的に挙動不審なテンパりキャラが押し出されるとは思っていなくて予想外だったw
愛莉編は物語的には特にどうということもなくとにかく愛莉ちゃんの暴走具合とその掛け合いを楽しむという編だった。ストーリー性を見ると退屈といえば退屈な流れだけど愛莉ちゃんが好きなら一つ一つのやり取りと台詞を楽しめるというような。
なのでキャラ好感度の差によって人によって評価が真っ二つなのではないかと思うけど、個人的には愛莉ちゃんの各描写の可愛さを存分に楽しめたのでこれで意外と退屈しなかったしCV夏野さんはロリキャラでもいい仕事をされるなーと感心するばかりでもあった。
オ○ニーがないためシーンが一つ少ない愛莉ちゃんだけどその分CGのサービス率は圧倒的に高めでインパクトのあるシーンが多かった気がする。
エピローグの卒業はジーンとくるものがあって他編でもそうだけど教師と教え子という距離感があったからこそ生まれる独特な感慨があるというのもこの作品の特徴だったと思う。それがイチャラブの枷になっているところもあったとは思うけど。
③真咲・ガイヤール編

私のオナニーを見てください!
オナニー!?オナニーナンデ!?中の人が次回作サノバウィッチの綾地寧々さんの人だけどまさか前作でその布石というか似たようなやり取りがあったとは(ノ∀`)
共通ルートで書いたけどその時点では真咲は以前に少し見てしまったネガティブな評判に対して思ったより可愛いじゃないかというポジティブな印象だった。ただ本編をやってみるとこの真咲編のストーリーがどうも個人的に合わず、
牙と爪の獣亭を透達が再開し真咲の恋が芽生えるというところまでは良かったのだけどその後の”ペット”の流れが腑に落ちず、友人の作戦も分かるし真咲の気持ちも分かるのだけどそれに流される主人公にもいつまでもペットだと言う真咲にも共感(納得)できずしかもこのルートに限って尺が物凄く長かったこともあり読んでてダレてしまった。
そうなってくるとヒロインに対してもあまり熱を持てなくて…というような感じだったけど真咲が苦手だという意見はそういう背景もあるのかなと。まぁそれに関してはあくまでそれぞれの受け取り方なので、愛莉編もその暴走っぷりを楽しめなければ最もありえない内容のルートということになるだろうし。というかあの編だけは若干性質が違う気もするけどw
「ペット」は流れとして必要だったと言えないこともないだろうけど透の動きがどうも好きになれなかったし途中までの真咲の方が魅力的だったと思うのでそれを生かすプロットにした方がよかったのではと。この編はペットや匂いなどフェチ的な要素を強めたかったのかなという印象もありそれがドストライクだったら一番強いルートにもなるのかもれない。
④ティア・ホーエンヴェルフェン編

それってつまりデデデ、デートの・・・!
四人目はサブヒロインのティア先生。最初はなんでそんな設定にしたのだろうと感じた緑髪+眼鏡というプレイヤー的にも最も地味な属性と印象は劇中におけるティア先生のエルフ界での立ち居地としても上手く反映されていて、それまでに男エルフ達にティアのウケが悪かったということがメタ的に理解できるようになっている造りが上手いと思った。
サブルートなのでストーリーはシンプルながらクライマックスの締め方は綺麗でそのドラマには心地良い読了感があったし最終局面だけでなく勘違いデートの時に咄嗟に取った行動含めて透の動き方にも満足できるところが良かった。ただ千恋の茉子編でもそうだったけどゆず主人公は相手によって丁寧な物腰の敬語が絶妙なきもちわるさになると感じるところもあってこのティア先生編はその気があったかもしれない(笑)
共通ルートまでと同じくテンパって「ひぇぇぇぇ!?」となるティア先生の各シーンが見所だったけどそのテンションの瞬間的な激しさはある意味あの愛莉ちゃんを越えるところもあって急に音がでかくなってうるせーwという感じもあった。
それから千恋の茉子との掛け合いで出てきた「裸(ら)」の元ネタはこのティア先生だったのかなとwこれ以前の作品で出てきてるのかもしれないけど。
⑤火宮木乃香編

ぐっもーにん
五人目は続いてサブヒロインのコノカチャン。口調的に某禁書目録のキャラを思い出すなというのが第一印象w とりわけ癖が強そうだと思っていたけどルートに入るとお弁当のことで一喜一憂したり先生の立場を気遣ったりと根が素直ないい子だなーという感覚が強まった。
木乃香編は話のアイディア自体はこのゲームの中でも一番それっぽさがあって面白かったのではないかと思うけどサブルート故にもしかしてと推理した内容が直ぐに当ってそのままED突入とストーリーの中にそれを落としこんで深める作業はほとんどされていなかったのでなんとも勿体無いルートだったなとも。それがゆずソフトらしいといえばらしいけど。
褐色ロリ巨乳(?)属性というのは珍しくそういう面での挑戦心は感じられた。ティア先生も禁忌と言われる緑髪眼鏡属性で今作のサブヒロインはなかなか挑戦的だったと言えるかも。
⑥天霧夕音編

・・・・・先生のいけず
ラストは夕音。とにかくその変態的キャラクター性は群を抜いていて各シーンでうおーい!とツッコミを入れたくなったw 最初のHシーンまではかなり長かったけどその間は劇中一オナニーしまくりでゆずの次の作品の某キャラ並じゃないかと思ったほどw
シャーリーの授業中も酷かったけど夕音の下着姿で先生のジャージを羽織って枕でというのもまた酷いw 星空背景で「あ、あ、あっ、ああああ」みたいなシーンもやたら多かったw
そんな夕音の挙動が見所でプロポーションも良いものをお持ちなので途中までは作品でも上位に惹かれていたのだけど関係が深まるとそのプレイの特殊性故か、単純に属性的に合っていなかったのかそこまでグッとくるものはなかったかな。しかし車の人の責めボイスはたしかに強いとは思ったのでプレイヤーの趣味次第では最強キャラとw
ストーリーは透が高飛びの練習を始めるという流れは若干強引だったとは思うけど共通ルートのニニギの子の怪我から夕音の陸上関連のことなどよく繋がっていたし地上に降りることにした夕音の選択も他ルートとは一味違ってよかったのではないかと思う。
ネタは二人で乾物屋にいって勢力増強のキノコを勧められるシーンが好きだった。夕音のキャラ的にこれ絶対あとで使うなと思っていたけど案の定w
あとはマキトリ草を使ったエロシチュエーションなど。スライムとそれはこのために出てきたと言っても過言ではない気がするw

<主題歌について>
個人的にはOPがこのゲームに興味を持つきっかけにもなったわけだけど爽やかで伸びやかな曲調と歌声に製作会社に定評のある映像演出が相俟ってこの明るく楽しい世界観とワクワク感を引き立てていて良かった。
そしてEDも印象深く、他のゲームだとルート毎に曲が違ってよく言えば曲目が多くて贅沢だけど悪く言えば馴染まず曲に愛着が沸かないことも多いのでこのゲームの一曲をそれぞれのverでバリエーション付けるというやり方は良いと感じた。

<総評>
最近のゆずソフトゲームの中では比較的評価が高くない作品と知りつつプレーしたけど、たしかにストーリーの起伏は小さかったとは思えど最初からキャラ萌えだけを求めて目当てのヒロインが居れば普通に楽しめる作品だったと感じるしゆずソフトにはそういうものを求めていたので個人的には評判ほどの印象の悪さはなく気楽に愛着を持ってプレーできた。
評判が悪かった理由としてはおそらく前の「DRACU-RIOT!」の評判が高くストーリー的にも好評だったようなのでその期待の割には…ということもあるのだろうと。それから独特な世界観を展開したのでそれらを深めるような期待も一部ユーザーには持たせてしまったのかもしれない。カウントダウンで特にそういうのはないと予め断ってはいたけど(笑)
主人公が教師(年上の大人)という設定がこのメーカーとしても珍しかったけどそれによって大人の立場でヒロインと接するという距離感が描かれたのは新鮮で魅力的だと思った反面、教師と生徒の恋愛という面では背徳感を上手く使えたというよりは制約の方が目立ってしまってイチャイチャのバリーエーションが減り各ルートで同じような流れのマンネリ感を出してしまったとも思うので挑戦心は良かったものの改善の余地はあったなと。
ストーリー的にはラブコメに本筋展開共にバランス良く纏まっていたシャーリィ編とラストシーンが綺麗だったティア編が良かった。愛莉編は全編が漫才みたいな特殊なルートでだからこそ最高にも最低にもなりうるだろうけど最後までやってなんだかんだで愛莉ちゃんが一番好きでその編が一番面白かった気もするので個人的には良い方に転んだ。
世界観設定はストーリー上それほど上手く生かしきれてはいなかったけどこの世界にいって下宿してみたいなと思わせる魅力はあったし流石はゆずソフトで日常の中のヒロイン掛け合いの可愛さは今作も素晴らしかったので期待通りに緩く楽しめた作品だった。