【PCゲーム】 花咲ワークスプリング! 感想
- 2017/12/06

花咲ワークスプリング!
(SAGA PLANETS 2015)

君に届け始まりの季節─
これは良い萌えゲームだった。各ヒロインの造詣とCVの演技が非常に良くマッチしていてドタバタな日常シーンで触れるたびに各キャラの攻略意欲も高まっていくという美少女恋愛ゲームの基本的な部分で好感触を得られた作品。
シナリオの方は全体的にもう一歩と言った感じではあり、そちらを重視してプレイしたら物足らない、逆にヒロイン萌えを重視してプレイしたら満足できるというそういった感じなのではないかと。そのあたりゆずソフトに近いかもしれないけどやはり製作会社毎に雰囲気の色は出るものでゆずとは全く違うプレイ感だったという印象も残った。
巷でも評判がいまいちなトゥルールートに関しては作品のテーマの完結という点で見ると良いのだけど他ルートで花咲が幸せになっている結末をいくつも見ていてましてやアフターの2ルートで幸せな未来のエピローグまで見た直後なのでそこから最後にあの話を見ても余韻をかき消して後味が悪くなるだけなのではという気持ちがあり個人的にもしっくりこなかった。
リトバスみたいな構造だったり全ルートで飛鳥との縁が強く結びついていたのなら話は違ったのだろうけど個別ではむしろ飛鳥関連の絡みは少なかったくらいで、そこら辺の構造がいまいちであれなら玖音先輩の話がグランドEDだった方がしっくりきたかなと。
しかし全体的には悪くなくヒロインの可愛さと日常ギャグ掛け合いを中心に楽しめた。OP主題歌も嵌るテンションだったし初のサガプラ作品を十分に堪能できた。
<攻略順番と各編の簡単な感想>
①不知火祈ルート

祈が可愛かった!!キャラの性格設定とCV遥そらさんの演技のマッチングが素晴らしい。特に付き合うまでデレるまでの雰囲気が最高でツンキャラの良さってこういうのなんだなーと普段はあまりそれに嵌らない自分にも祈は存分に破壊力を発揮した。
これは是非攻略したいと体験版で一番気に入ったキャラで序盤の花咲との掛け合いや距離感が好きだった。一方で付き合い始めてからは少し落ち着いてしまったというか、「遊馬ぁ♥」みたいな祈よりも「花咲ぃぃぃぃ!」な祈を弄ってる方が愛着が強かったのかも(笑)
特典タペストリー画像などでも分かっていたけど脱ぐと実は良いものをお持ちなところも良かった。おっぱい要員は他にも沢山いたけどギャップを効果的に使えたのはこの祈。印象に残っている台詞は序盤の「パンツ覗きの死体野郎ですか」というやつで説明書でもその場面の画像が使われていて笑った。好きなシーンは本屋で肩車をしたドタバタなシーン。
それにしてもこのゲームは発売時期がゆずソフトの『サノバウィッチ』と近いけど、以前そのメーカー同士の『はつゆき』と『ドラクリ』で「パクリはどっちだ裁判」みたいなことをやっておいてこの作品の祈とサノバのめぐるがマフラー・性格・CVとまたいろいろなところでそっくりという、これは偶然なのかそれともw
②琴吹ヒカリルート

ラブリーヒカリ!ヒカリはどんどん愛着が強まっていったキャラで劇中一豊富な表情描写にCV遠野さんの演技もあって各場面どれも面白可愛く作品一愛らしいヒロインだった。
ヒカリ編は途中までは天色アイルノーツの某編みたいな挙動不審なヒカリとの漫才が延々と続いてそれが面白かったし、後半に主人公に惚れた理由もちゃんと描かれ一つの設定を使って心情を揺らしたストーリーもシンプルながら良かった。特に後者は天然の裏に隠した核心の設定が上手くああそういうことだったのかと思った。
あとはえっちなことについて知識のない初々しさはドラクリオットの莉音的な強みもあったキャラかも。挙動不審は天色の愛莉ちゃんとするとその二人が混ざったみたいな強さ。
③空森若葉ルート

若葉は日常シーンの女友達としての距離感は凄くいいけど恋愛関係に進展していく流れとストーリー展開がいまいちでそれほどのめりこまなかったかな。酒に酔ったシーンで言っていた昔の約束という伏線も生きていないし終盤にお嬢様言葉になる展開も家庭の問題などと上手くリンクしていないため適当に感じ構成もやや雑だったんじゃないかと。女の子らしいデート服を初めて見せる場面は好きだった。
上で祈とめぐるについて書いたけど若葉とサノバの寧々もCV的にも器具を使ったアレ的にも謎の共通点があってやっぱりサガプラとゆずは裏で通じてるんじゃないかと(ノ∀`)
④玖音彩乃ルート

玖音先輩いいいい!体験版時点では一番興味が薄かったけどCVの癖は気になっていて「あ~花咲くんだ~><」みたいな台詞のイントネーションがどんどん癖になっていき本編をプレイすると個別ルートの内容やらおっぱい効果やらいろいろあって一気に株が上がった。
各場面やOPの演出を見てもおそらくこの物語の核心に迫るエピソードはこの編だろうということで最後まで取っておいたけどそれも正解でこれが実質まとめでもいいというような幽霊部結成の意味からその卒業までの話が良く描かれていたと思う。なのでTrue編ではなくここで同時にそこの内容をやってしまっても良かったのではないかと。
まぁそうなるとこれが”玖音先輩ゲーム”ということになって他ヒロイン推しの人からの不満が高まりそうだけど。たぶんこのゲームのヒロインの人気は祈とののかちゃんが2トップであろうのでそれはマイナスか。
玖音先輩は甘えんぼうな悪戯なキャラも良かったし実はお世話好きな尽くす女で付き合って以降は甘やかしキャラとしての性質も見せてきたところが強かった。甘え・甘やかし、攻め・受け、全てを好きという感情で包括してオールラウンドに魅せてくるところが素晴らしかった。
⑤上月柑南ルート

おっぱい!実は玖音さん以上だった柑南さん。サブヒロインなこともありストーリーは本当にシンプルでなんとも言えずこのルートは(ののか√も)完全なキャラ愛勝負かなと。共通ルートのハプニングシーンが好き。シーン一つ目のCGが良かった。二つ目のシーンは花咲が調子に乗りすぎで酷いwあの場面の若葉役の沢澤さんの惚けた演技が上手くて笑えたw
⑥花咲ののかルート

ののかちゃんんんんんんんんんんんんんんんん!!!!!ののかちゃんが最強だった。一部で妹ゲー扱いされているとは聞いていたけどそれも納得の妹力。ビジュアル・性格に本編で明かされる秘めたる想いの設定も強かったし妹キャラならばこの人というCVの力もあってメインヒロインを凌駕すると言っても過言ではない圧倒的存在感を放っていた。
主人公のことを明確に意識するのはルートに入ってからなのかなと思っていたけど十年以上秘めたる一途な想いを持ち続けていてオルゴール調BGMに乗せながら日記でそれを表していく演出が良かった。ずっと好きだったというのはそれまでの全てのシーンでここではこう思っていたのかなと妄想が広がっていい。他ルートのことを思うと切なくもなるけど。
いきなりお風呂で大胆に迫ってくるというシチュエーションもそれまでの大人しく控え目なキャラがあってこそのギャップが強く効いていて破壊力が凄かった。「愛しています」という告白文句もいいし元々ポテンシャルは高かったけどあそこで一気に爆発したののかちゃん。
例のおてつだい券を使ったシーンの二つ目は制服が選べるパターンだったけどどちらを選んだ人が多かったは想像に足る…
