【PCゲーム】 ハピメア 感想
- 2019/01/26

ハピメア (Purple software)
今年最初のゲームはPurple softwareのハピメア。同社作品のプレイはアマツツミ・アオイトリ・クロノクロックに続いてこれで四作目。比較的シナリオ面でも力作揃いの同社の中でも高い評価を得ているということで以前から注目していた作品。

これは甘くて幸せな悪い夢のお話─
いやー面白かった。夢が舞台だからこそ叶うこと、夢が舞台だからこそ叶わないこと。夢の世界をベースに繰り広げられる冒険と友情と青春の物語。そんなちょっと特殊な世界観とそれが織り成す独特な構成の物語が新鮮で楽しめた。
最後の有栖ルートでそれまでの各ヒロインとの恋の行方が解釈によってはなかったものになってしまうという部分は恋愛物としては気になるところはあったけど、有栖編もといこの物語は恋愛ADVというよりはリトバスみたいな登場人物達の成長と友情と絆の物語であったという印象もあって、
個別ルートの分岐は薄いけどもだからこそ常にみんなで揃って夢の世界で大冒険を繰り広げた時間の長さというのもそこに集約されてきて一本の物語として深みが出ていたと思うし、現実世界では会ったことのないはずの5人が揃ってそこに夢の世界で紡いだ絆が根付いているというラストシーンは凄く感慨深いものに仕上がっていた。
透にとっての舞亜の立ち居地、舞亜が見せていた”悪夢”の意味が分かってくるところなども非常に魅力的で面白い構造になっていたと思う。
それからあの夢は誰のどういう夢なのか?という根本的な疑問も上手い具合に情報を出しながら、ここはこういうことなのだろうとプレイヤーに予想させて読ませていくシナリオも読み易さと読み応えを感じさせて良かった。
基本的には有栖ルートで集約される物語だとも思うけどもう一つ良かったのが一番最初に攻略した咲ルート。有栖の要素が入らなければやはり透にとって解決しなければならない葛藤は舞亜と咲との関係だったので本来メインになってもおかしくない部分でそういった物語の下地が十分にできていた。
そして舞亜もいる永遠に心地良い夢の世界で生活するよりもたとえ辛く舞亜がいなくても現実世界で咲と二人で生きていこうという選択、舞亜と心の葛藤との決別が描かれたストーリー性も良かった。透だけではなく同じように苦しんでいた咲、それから自分が消えることになってもそうなるように二人を後押ししていた舞亜の優しさなども良く描けていた。
ヒロインは咲が一番強烈だった。いつでも一番に透ちゃんを支えてきた幼馴染正妻ポジションは最強だしそこに特殊な家柄の背景に加えて舞亜の性格を引継いだstrenge sisterな属性も相俟って一つ一つの掛け合いが凄い存在感のヒロインになっていた。
CV青山ゆかりさんは大御所だけど何気に個人的にこの業界では初めての出会い。ツンデレの神様と呼ばれているようだけどツンデレというよりは甘え甘えさせのトロみのあるボイスが強いという印象で咲の独特な雰囲気演出が面白可愛くてよかった。あと咲はあの和風専用BGMもなんだか凄くクセになるw
景子は物語上で5人の絆を描く上でも魅力的な立ち居地のキャラクターだったしお得意の裸Yシャツの破壊力が高かった。弥生は原画家の画力にキャラデザに声とあの性格が合わさっていろいろとヤバい御方だった(;´Д`)
有栖は純粋で作品で唯一貞操感がしっかりしていて恥じらいがあるところが強み。よくエッチな場面に遭遇して物凄い悲鳴をあげていたところが好きだったw 核心を握る謎めいた設定もプレイヤーを物語に惹き付ける上で大きな役割。欲を言えば有子のあの後がもっと見てみたかったそれはFDのお楽しみという感じかな。
舞亜は最初こそ不気味で恐くも映るもののその底にはどこまでもお兄ちゃんを想う優しい心があって良い妹だった。ナイトメアから取ったであろう内藤舞亜というネーミングもじわじわ嵌る。あとCV遠野そよぎさんの醸した悪戯な雰囲気が物凄く嵌っていた。
設定的に特殊ではあったけど咲と舞亜のダブル妹体制が強かったということでこれは妹最強ゲームだったとも言えるかもしれない(笑)

