個人的エロゲAward 2019
- 2019/12/12

『個人的エロゲAward 2019』
時代に逆行して(?)始まったこの企画も気付けばもう四度目。諸事情もあり今年は若干早めの企画締め。
個人的に今年中にプレーしたPCゲームの中から大賞と金賞、主題歌賞3つ、キャラクター賞と声優賞はそれぞれ5人までという形で選出してみたい。なお今年は主催者ルールで金賞を2枠に増設。対象は以下の8作品。
・ハピメア (Purple software 2013)
・未来ノスタルジア (Purple software 2011)
・リアライブ (Purple software 2019)
・トリノライン:ジェネシス (minori 2018)
・妹のセイイキ (Feng 2015)
・pieces/渡り鳥のソムニウム (Whirlpool 2019)
・アメイジング・グレイス (きゃべつそふと 2018)
・もののあはれは彩の頃 (QUINCE SOFT 2017)
<作品大賞>

『アメイジング・グレイス』
Ready to sing… Wish a marry amazing grace!
作品大賞はきゃべつそふとのアメイジング・グレイス。独特に設計された謎めいた世界観による惹き込みと次々に仕掛けられる伏線トリックによる驚きの連続はまさに圧巻。明らかに違和感のあるような大胆な伏線も、あまりにも自然でまったく気が付かなかったけど最初から全てが…というような仕掛けもどれも明かされた時にあっ!となりその瞬間のカタルシスが秀逸だった。
<作品金賞>

『もののあはれは彩の頃』
金賞はQUINCE SOFTのもののあはれは彩の頃。上のアメグレと同ライターによる作品。トリックの大胆さによる一撃ごとの衝撃はアメグレに部がありながら双六のゲーム性と持ち前のトリックを組み合わせることによって道中の局面一手一手の目の離せなさでは彩の頃に軍配が上がり、登場人物の繋がりやテーマ性などの完成度の面でもバランスはむしろ上かもしれない。
このブログ的には適切ではないけど推理小説的に例えるとアメグレが綾辻行人氏の『十角館の殺人』で彩の頃は『時計館の殺人』的なイメージ。とにかくどちらを最優秀にしようか迷う甲乙付けがたい出来でその両作を生み出したライターは今後要チェックの人物となった。

『未来ノスタルジア』
金賞二つ目はパープルの未来ノスタルジア。今年のエントリーの中では最古参だけど近年の作品にも負けない良い物語だった。特にこの作品は未来編で主人公視点で街を見渡した時に街の色が変わって見えるというような没入を感じさせたところが印象的で、こういうのがノベルゲームの強さだとも思った。
<主題歌賞>
・未来ノスタルジア (未来ノスタルジア)
何度も何度でも翔ぶわ桜色舞うノスタルジア──主題歌に定評のあるパープル。この曲はYouTubeで一度聞いただけで気に入ってしまってそれがプレイするきっかけになった。プレイし終えるとこれが杏奈の心情と人生を綴った歌詞ということも分かり聞くたびに物語が脳裏に蘇ってくる。映像は新装版の方が好きだけど伊織のアレもインパクトがあるので旧verもまた良いw
・コールドボイス (アメイジング・グレイス)
ふわり夜空に咲く恋の華は──曲調と佐倉紗織さんの特徴のある歌声が美術を題材にしたゲームらしい、そして冬らしい色彩感と神秘感を引き立てて惹き込まれるような雰囲気を演出していた。
・色化粧 (もののあはれは彩の頃)
たゆたう季節に今願い込めた一振りの定めよ──作品を彩る秋の色、そして和のテイストが感じられる曲調とnaoさんの歌声が良い組み合わせ。fullの間奏のギターパートも好き。
<ヒロイン賞>
・蓮乃咲 (ハピメア)

ハピメアの妹分こと咲。妹でもあり幼馴染でもあるその両属性に加えて強烈な個性と押しの強さを発揮するキャラクター性にもインパクトがあり、同作で最初に攻略してその物語の結末も魅力的で愛着のあるヒロインになった。それから個人的にこっちの業界ではCV青山ゆかりさんはこれが初めてでこの声のクセに嵌ったというキャラでもあった。
・羽鳥詩 (未来ノスタルジア)

未来ノスタルジアより詩。ぽわぽわかわいい幼馴染な詩ちゃんも強いのだけど未来編に出てくる大人の詩さんも深みのある魅力で作品のタイムトラベル設定がキャラ魅力の面で凄く生きたヒロインだった。
・杏奈 (未来ノスタルジア)

未来ノスタルジアよりメインヒロインの杏奈。冒頭から唐突に未来人だと言い出すおどけたキャラクターも面白かったし各編から未来編を通してどんどんその背景が明かされていくところが非常に魅力的なキャラだった。ミラノスからはもう一人サブヒロインのかなたも選びたく層が厚かった。
・コトハ (アメイジング・グレイス)

これは何ですかコトハ先輩!説明を!。物語の鍵を握る仕掛けは格好良く不穏な情勢の中聡明さが頼りになる頼もしい先輩キャラだった。しかし優等生に見えて内面は相当アレな人でもあって芸術のためのデッサンの正体が判明した時などが酷かった(ノ∀`) この人のおかげで美術題材に沿ったエロ展開もできエロゲとしての本懐を遂げたのである意味影のMVPとも言えそうw
・クレア・コートニー・クレア (もののあはれは彩の頃)

もののあはれは彩の頃よりクレア。持ち前の明朗さに加えて素直じゃないけど分かり易い不器用な可愛さが光った。クレア・コートニー・クレアというネーミングにもなぜか惹かれるw
<声優賞>
・青山ゆかり (蓮乃咲:ハピメア)
大御所の青山ゆかりさんだけどこちらの業界では実は今年が初めての出会いだった。しかし不思議なもので一度出会うと二度三度とあるものでその後カミカゼ・マギウステイル・シンセミアなどプレイした体験版では異常なまでの遭遇率。青山さんは独特にクセのある可愛さな声だけどは咲の強烈な個性と良くマッチしていて凄く癖になったのでその人気の理由も分かった気がする。
・桃井いちご (羽鳥詩:未来ノスタルジア)
キャラクター賞の詩のところでほとんど書いてしまったけど現代の詩ちゃんの可愛さと未来の詩さんの大人な魅力と切なさのギャップを桃井いちごさんが見事に演じていて魅力的なヒロインになっていた。
・風音 (弥生・B・ルートウィッジ:ハピメア 杏奈:未来ノスタルジア)
杏奈も弥生も表面的には同系統だった気がするけどその両者の悪戯なおどけかたは風音さんならではの演技の魅力だった。杏奈の各編のクライマックスの見せ場での演技も良かった。
・月白まひる (ユネ:アメイジング・グレイス)
月白まひるさんはまだ若干演技に荒削りな部分がある気もするけどそれがユネのキャラクター造詣としては純朴な雰囲気でプラスにも働いたし声質も聞き心地がよかったので今後も伸びがありそうで期待。
・橘まお (クレア・コートニー・クレア:もののあはれは彩の頃。)
橘まおさんは彩の頃のクレアの雰囲気が良かった。図星をつかれて焦る場面の慌て方など細かいところでも掴んできてくれる。以前他の体験版をやってその頃もそんなに好みのタイプじゃないはずのヒロインなのに惹かれた覚えがあったけど、そういう惹き付けるキャラ作りをしてくれるのだと思う。
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