【PCゲーム】 喫茶ステラと死神の蝶 ~全ルートクリア~ 感想
- 2020/01/04

喫茶ステラと死神の蝶 (ゆずソフト2019)
個人的YUZU SOFTプレイ作品7作目の喫茶ステラと死神の蝶の全ルートのプレイが終わったので総評というか全体を通しての簡単な感想のまとめを。これまでの共通・個別√感想はこちらから ⓪共通1・⓪共通2・①四季ナツメ・②火打谷愛衣・③汐山涼音・④明月栞那・⑤墨染希
※要望や不満があった部分については個別で触れたつもりなのでこの記事は基本的によかったところだけを書くような形にしたい。

<シナリオや設定のよかったところ>
栞那ルートの読後感が非常に良かった。前半の死神と蝶に関する部分の解決には難点があったものの、後半から描いた「家族」と「幸せ」をテーマにした部分は純粋に良いと感じ、昂晴や栞那の前世や昂晴と父親との微妙な関係性を含めてこれまでに描いてきた背景が上手く纏められて良い物語になった。最後の母子のCGシーンは凄く良かったし個人的にゆずの中でも1~2番に好きな読了感のシナリオだった。
愛衣ちゃんルートは告白までの恋愛感情の描き方となかなか纏まったシナリオのバランスなどが良かった。希ちゃんは共通から個別序章のえっちなドタバタハプニング劇と恋人になる前のクリスマスデートが実に強い。
ナツメは珍しい大学生設定ながらそれが一緒に飲みに行くイベントであったりシーンのラブホ展開であったりと様々な面で一味違う大人の魅力を引き出していて良かった。大人の魅力というと涼音さんもそうで、職場での尊敬できる先輩と可愛い後輩としての主人公との距離感が魅力的だった。
そして栞那ルートで書いたけど今作強かったのはヒロインの横の繋がりで、狭い職場を舞台としたことで高校生大学生社会人死神といったバラバラな属性のヒロインが一堂に会する機会を無理なく多めに作れてヒロイン同士の掛け合いを見易くさせたところ。
ゆずの過去作ではドラクリが寮の同部屋という設定でそういうヒロイン同士の連携を引き出していたけどやはりヒロイン達の掛け合いがわいわい楽しいというのは魅力的な要素。栞那ルートで焼き肉を食べに行った時の凄く楽しい雰囲気はその横の繋がりがあってこそだった。
<ヒロイン・声優>
今作はヒロインの魅力の全体的なバランスも良く攻略意欲が途切れにくかったところも良かった。個人的に発表時点から一番好きだったのは希ちゃんだけど体験版でナツメが予想を超えて凄く掴まえてきてその結果最初と最後にお目当ての強力なヒロインを置ける構図になったのが強かった。
それから発表時点ではこれ不人気要素の塊なんじゃ…なんて失礼なことを思っていた愛衣ちゃんの本編での好感度の上がり方が凄まじく、そのダークホースっぷりにCGの絵だけではなく声や動きの複合でキャラを魅せてくるゆずソフトの神髄を改めて見た気がした。
最終的に誰が一番好きかと言うと難しいところだけど、常にエロ可愛く各編の日常の掛け合いなど全体を通してキャラの特徴としても一番強かったと感じたのはナツメ。弾むような声と恋する少女な可愛さが良かったのは愛衣ちゃん。でもなんだかんだで希ちゃんが声と属性(おっぱい)的に最強だったかもしれない。CV上原あおいさんの口調と甘いボイスが好きでお気に入りボイスも希ちゃんが明らかに多かった( ;゚Д゚)
上原あおいさんは声的におそらく普段は巨乳よりもロリキャラの方が多いのではないかと推測するけど、希ちゃんは作品一の巨乳ながらよくいるお姉さんタイプではなくむしろ逆に声も性格も一番幼い感じだったところが嵌った気がする。同じゆずのキャラで言えばドラクリの莉緒が近い属性かな。そして布良さんの人が莉緒をやっているみたいな感じなのかも。
声優さんはミカドまで含めて全員良かった。中でも初めて出会った愛衣ちゃんの方がいい声の作り方をするなとインパクトを感じまた他作品で見てみたいと思った。ナツメの夏和小さんも前作が千咲ちゃんだったことを思えばそのギャップが凄く、またこちらの演技でも雰囲気が嵌っていることが素晴らしい。
栞那役の車の人も流石の安定感。ツイッターで言ってた通りのマジ天使っぷり。栞那の演技といえばカウントダウンネタの許さないかんな!明月栞那♪というやつの言い方が可愛くて好きだったw
涼音さんの人もいい演技。けっこう強めのキャラだったけどそれでも時折声の裏からにじみ出る可愛さが。個人的にこの方は高い声のよい子(ロリ)的な役で一度見てみたいと思ってゆずなら千恋の小春とかそういう役も嵌るんじゃないかなと。
<システム・UI>
これに関してはゆずは相変わらず最高で、前作でもほとんど不満がなかったのに更にアップデートされていてユーザーが求めるレベルを超えて常に前に進み続けている。ソシャゲなども含めゲーム業界はシステムに関してここは直してほしいと意見要望が多い中でも改善できない会社も多いけどここは要望してもいないのに更に良くしてくる。
発売延期を絶対にしないところなども含めてそういう姿勢が多くのユーザーの支持を得ている理由だと、強みは可愛いキャラだけではないゆずソフトの人気のもう一つの側面だと思える。
今作は新たに追加されたキャプチャー機能が思った以上に便利だった。ツイッターなども宣伝の一つになると考えれば時代にも即した新機能だと思う。それから前作からあるけどお気に入りボイスからの回想機能が最高に便利でこれのおかげでセーブポイントがどれだけ節約できているか分からない。
そして前作のまとめで立ち絵鑑賞モードの裸立ち絵に髪型のバリエーションをつけてほしいと書いていたのだけど、それが目に触れてか他のユーザーもそういう要望をたくさん送っていたのか、今作は全てではないけどバリエーションが増えて全キャラ二種類ほど作られていたところがよかった。欲をいえば全髪型、なのだけど少しでも増やそうという意図は感じられた。
立ち絵鑑賞は距離変更の自由度が上がったところはいいけど表情や背景を変えるのに>>のコマ送りがなくなってしまったのが地味に不便だったのでそこは元の方がよかった。
<好きなBGM 3選>
・Happy!Pleasant!
楽しいイベントシーンを彩るウキウキするような曲。楽し気であると同時にそこはかとなく作品の季節である冬の空気感じさせるところもいい。栞那編で焼き肉パーティーをする時や希編のネズミーデートの時などに流れていたのが印象的でそのどちらも好きなシーンとして印象に残ったのはこの曲の演出があったからかも。
・Sweetest Betterness(InstVer.)
ナツメのテーマ。唯一の大学生という設定、色気ある大人にふさわしいオシャレな夜の街という印象の曲でBARのシーンなどとも良くあっているしキャラの特徴を引き立てた。過去作のドラクリオットはこういう曲調のBGMが目立っていた印象がありそれのノスタルジーを感じたりもした。
・Happy Sunshine(InstVer.)
愛衣ちゃんのテーマ。キャラソンも好きだったけどこのInstVerはイントロの部分のアレンジが面白くて、元気さや良い意味で図々しそうなキャラクターの勢いを感じさせる主張がいい。曲調は違うけどコミカルな感じに仕上げられているところはサノバのめぐるのテーマとも似ている気がする。
<好きなイベントスチル 5選>

希ちゃんとのクリスマスデート。ロマンチックなムードと希ちゃんの可愛らしさが溢れるCG。まだ恋人ではなく微妙な関係性にあるシチュエーションもよかった。希ちゃんはヒロインの中では一番背が高いので大きい印象が強いけどこうやって主人公と並ぶと小さくて守るべき幼馴染という雰囲気が強く出てそこもいい。

愛衣ちゃんの告白シーン。愛衣ルートは告白するまでの愛衣ちゃんの心の揺れ方とその純情さが魅力だったのでここに至るまでに十分の盛り上がりがあり、そこで表示された渾身のCGなので強かった。愛衣ちゃんはどのCGも非常に可愛くてこぶいち先生は描く上で相性がよかったヒロインなんじゃないかなと。

ウッソー♪共通ルートの酒飲みイベント翌日のナツメのリアクションシーン。BARで隣で飲む大人なムードも良いけどそこから一転してのこのSDのギャップが最強で体験版では猛威を奮ったナツメ旋風。ナツメ√はSD絵が最高に可愛いのが多く等身大の本CGを超えていたんじゃないかというほど。

みんなで過ごした楽しい時間。ここは栞那だけではくプレイヤーにとっても楽しい良い思い出になった。栞那ルートの最後で栞那が誕生日ケーキを送る娘に「ママのお友達に作ってもらった特別なケーキ」という台詞があるけどそういう言葉もこういう時間と絆を見てきたからこそジーンとくる重みがある。

前世から何代も、本当に長い年月待ち望んでいた家族としての幸せをついに掴んだ昂晴と栞那。作品で描かれた「家族」というテーマとその結末、この幸せな構図はジーンときた。エピローグで子供が出てくる構図は他作品でも何回かあったけどその中でも一番好きな映像演出だったかもしれない。
ということで喫茶ステラ終了。個別で書いたようにシナリオに注文をつけたくなる点もあったものの栞那ルートの終盤などは素直にいいと思えたしヒロインそれぞれも魅力的で攻略する意欲も全体を通して高く保てたので楽しめたゲームだった。
作品が発表された時、一番最初は今作は冒険しすぎじゃないか大丈夫かなという不安がありヒロインも少しパッとしないかもなんて思った記憶があるけど、そこからキャラソン・ドラマCD・カウントダウン・体験版と段階を踏んでいくと気が付いたらヒロインの魅力に取り込まれている。ゲーム内外含めていろいろな展開から総合的にヒロインを魅力的に見せてくる。そこがこの会社のゲームのいいところだと改めて思った。
ありがとう喫茶ステラと死神の蝶─。感想を書き終えた管理人は空になったコーヒーカップをそっと置き会計を済ませて店を後にするのであった。

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