【PCゲーム】 ハピメア -Fragmentation Dream- 感想
- 2020/01/14

ハピメア -Fragmentation Dream-
(Purple software 2014)

これは甘くて幸せな悪い夢のお話─
これは良い物語の仕上がり!単なるおまけ的なファンディスクというわけではなく前作と併せてこれを最後までやることでより深みを持って物語が完結したという印象で良い読後感だった。
もちろん前作単体でも既に完成していたと見ることもできるし部分的には蛇足や焼き増しと感じられるところもあった。しかし前作でも馴染みのあるキャラクター達の活劇は読んでいて相変わらず面白く楽しめたし、何より締めの部分が素晴らしく、そこまでを見てこそのこの物語だと思える良い続編だった。
最後の分岐の片方は今までの流れを汲めばバッドエンドではあるけどそれも悪くはない一つの形だと受け入れたくもなったし、そういう世界の可能性が描けるのもこの作品の世界観の懐の深さかなと。
そしてその分岐どちらの方でも溢れていた舞亜の透への「愛情」。作品初期は不穏さを感じさせ何を考えているのか分からない雰囲気があったけどそれら全ての言動はこの感情に集約されていた、というのを前作以上に上手い形で纏め上げてここで舞亜というヒロイン像が完成し完結した気がする。
それからどうして死んでいるはずの舞亜が存在しているのか、これから消えるのか、ということなどもこのFDを通してよりはっきり分かるようになっていて、夢の世界に出てくる舞亜は透の妄想の存在ではなく本物の舞亜ということもより納得できるようになっていた。
有子と有栖のその後の物語も楽しめたし夢の世界という特殊な設定を利用してのパープル得意のハーレム的エロ構成も強く、とりあえず出しておこう的なものではなく一つの作品として熱も感じられるよい続編FDだった。


有子が可愛かった!
クライマックスの舞亜も良かったけどメインたる有子が強かったのもこのゲームの良かったところ。あのネガティブで引っ込み思案で少し変わった口調なところや気だるげでちょっと悪戯な感じの表情などが実に良い。
そしてそれを可愛いと強く感じるのも前作に描かれた有栖の存在感あってこそで、そのギャップや根底では同じ存在だと感じさせるところなどが魅力のポイントでもあった。CV北見六花さんの演技も非常に良く癖になるようなボソっとした口調だった。二キャラの演じ分けもGood。

相変わらず強キャラな咲w
前作のこういう尋問シーンで弥生達が裏で本気で震えていた場面が好きだった(ノ∀`)
妹キャラで兄さん呼びから名前呼びに変わる設定はあまり好みじゃないことが多いけどこの咲の「透ちゃん」呼びは妹役から幼馴染に戻った感が強くてわりと好きだった。CV青山ゆかりさんのなんともんねっとりした甘さの咲ボイスの雰囲気も相変わらず良い。個別BGMのインパクトも一番あるヒロイン。

妹2人がドSとか、どう声をかければいいのか・・・・・・
舞亜と咲に振り回し続けられる透に対する弥生の台詞に笑った。景子の表情もw
また繰り返し開かれる舞台
ハピメアFDは主題歌『幻想楼閣』のセンスと映像の演出の仕方が凄く印象に残った作品でもあって、主題歌には定評のあるパープルの中でも歴代屈指のものだったのではないかと。

タイトルと作品コピー回収!
最後は本当に綺麗にまとまった。おそらくこのFDは初期からの構想ではなく後付けで作ったものだとは思うけど時に後付けが当初の構想を上回る展開を見せるというのもあること。前作と今作併せて一つの作品として見事な物語のまとめだった。
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