【PCゲーム】 時計仕掛けのレイライン 感想
- 2020/09/12

時計仕掛けのレイライン -黄昏時の境界線- (2012)
時計仕掛けのレイライン -残影の夜が明ける時- (2013)
時計仕掛けのレイライン -朝霧に散る花- (2015)
(ユニゾンシフト:ブロッサム)

鹿ケ谷憂緒が、我が血と言霊とともに古き盟約の札にて命じる……刻を、止めよ─
構築の段階から丁寧に組み立てられている様々な情報・伏線・キャラクターの相関関係などが見事で、物語を追いながら「なるほど、ここはそういうことだったのか」と順次理解と納得をしながらその秘密を紐解いていく作品性が面白かった。
情報の出し方に無駄がなく、序盤の遺品(ミスト)が関わる小さなエピソードの数々も単話では終わらずその後に余すことなくそこで提示された情報が生かされていたし、キャラの相関関係やその配置もサブキャラ一人に至るまできっちり考えられて上手く絡んでくるところに感心させられた。
伏線の回収として特に印象的だったのは憂緒とヤヌスの鍵の伏線、あの場面は何かひっかかっているものがあったけどそっち側に答えがあったのかと第二作終盤で明かされた真相には楽しませてもらった。
そのあたりの仕掛けと伏線回収の面白さで第二作の評価が高いのは頷ける。第三作のラストの締め方も個人的に好きでここまで読んできて良かったと思わせる納得いく爽やかな結末だった。
あとは最初に絵を見た時に主人公のキャラデザはなんでこんなオッサン(大人)っぽくしたのだろうなんて思ったけどそれにもしっかりと理由があったところなどが印象的だった。本当に無駄がない(ノ∀`)

モー子おおおおおおおおおおおおおお
モー子が可愛かった!この作品が分割三作品的に売られていたのは良し悪しある部分だけど、ことモー子に関しては分割にしてお預けした分ツンデレヒロインとしての熟成度が高まってデレるまでの時間とデレてからの変化の楽しみという強みが増してむしろプラスに働いたのではないかと。
第一作ではあまりデレることなくツンツンしていたモー子があの事件をきっかけに裏では猛烈に久我君を意識するようになって、第二作の夢のミストのエピソードで、「似てませんね」と子供を見ただけで自分と久我との子供を連想したり淫夢の欠片を見てわああああああっとなる様子などが楽しくて仕方なかった。
あと第一作でツンツンしていたとは言っても結局内面では優しいところと押しには弱い本質があって、とある事件をきっかけになし崩し的にあそこまでいってしまったチョロさというのも好きだった(あれはメインヒロインのHシーンなしでは売れないというエロゲならではの事情もあろうけど)。

ゴゴゴ…

この表情好き

風呂屋町さんの暴走。眠子はビジュアルに声も可愛くてよかったけど後の真相を知ると、仮に第一作で眠子にドップリ嵌ってしまった人がいたら第二作で相当ショックを受けたんじゃないか(;^ω^)
BGM演出は『どぶりぃ~でんっ!』の醸し出すなんとも怪しげなコミカルさが初期の魔術・学園・遺品・特務室というこのゲームの世界観と相まって作品の代名詞的な曲と感じられて好きだった。タイトル画面で流れる『vision』の薄暗い奇妙さ、日常シーンで流れる『Casual Days』なども印象的。
ということでレイラインクリア。このゲームの三部構成に関してはもしも当時リアルタイムで追っていたらいろいろ不満もあっただろうしお世辞にも良い構成とは言えないかもしれない。
しかしまとめてプレイできるなら、本筋の世界観や謎を紐解いて解決していくストーリーと各伏線は綺麗に繋がっていて面白いし、ツンデレ正妻ヒロインモー子には三部作故の積み上げる強みも感じた。そんなこんなで今回は発売から数年経ってのまとめてのプレイだったけど楽しめた作品だった。
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