【PCゲーム】 青春フラジャイル 感想
- 2022/10/18

青春フラジャイル (Purple software 2020)

抱きしめてる力で壊れるほどFragile
メーカーの前作があまりよくなかったのと今作の評判が良くないのを見て回避していたけど実際にやってみるとセンターヒロインのせつなルートは面白く言われているよりいいなと思ったのが個人的な感想。
せつなルートは一言で言えば非常に面倒くさい恋愛劇で同じライターの『ソレヨリノ前奏詩』みたいな印象を受けたけど、その面倒くささが良いスパイスとなっていたし過去編で掘り下げていく構成も面白かった。あのあたりはパープル過去作の未来ノスタルジアのリメイク的にもなっていた感じがする。
せつな編は面白いのでそれを最終ルートとして攻略していればそれなりの読後感にはなりそうだけど、もし別の順番で攻略してしまっていたら作品全体の印象もけっこう変わっていた可能性が高いし、そこは素直にルートロックをしていた方が良かったのではないかという印象も。
正直他ルートのシナリオはどれもあまりよくなかった。特に氷緒編はヒロインにプレイヤー目線で不満を買うような思考と行動が目立ってしまっていたので微妙に感じるところも多かった。
なので絶対にせつな編を最後にするべき。とは言っても残り三編の出来がそれ程ではないのでそうするとそこにたどり着くまでに脱落してしまう可能性もあり、そのあたりがこのゲームの弱さだった。そういう意味ではせつなをルートロックしなかった判断は正しかったとも言えるのかも。
そう言った問題点はあったけど個人的には最後にせつなルートを持ってきてなかなか楽しめたし、キャラとエロ描写の面で全キャラ克先生作画という豪華な構成と、日常と空想が微妙に入り混じった世界観は前後作と比べてもこの会社に向いていたと感じ、パープルとしての強みもちゃんと出ている作品でもあったと思う。